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水産庁

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(3)漁村の活性化

目標8

 

〈伝統的な生活体験や漁村地域の人々との交流を楽しむ「渚泊」を推進〉

漁村は、豊かな自然環境、四季折々の新鮮な水産物や特徴的な加工技術、伝統文化、親水性レクリエーションの機会等の様々な地域資源を有しています。漁村の活性化のためには、それぞれが有する地域資源を十分に把握し最大限に活用することで、観光客等の来訪者を増やし、交流を促進することも重要な方策の1つです。そのため、全国の漁港及びその背後集落には令和元(2019)年度末現在で約1,500の水産物直売所等の交流施設が整備されています(図表5-8)。こうした取組を推進するためには、1)地域全体の将来像を描くとともに、交流の目的を明確にし、解決すべき地域の課題等を整理し戦略を立てること、2)交流に取り組むメンバーの役割分担を明らかにし、地域の実情に即して実践・継続可能な推進体制をつくること、及び3)まずは取組の実践と継続を意識し、交流により地域の問題解決を目指すことが重要です。また、地域の観光推進組織と連携することで、より効果的に取組を展開することも可能になります。

図表5-8 全国の漁港及びその背後集落における水産物直売所等交流施設

図表5-8 全国の漁港及びその背後集落における水産物直売所等交流施設

さらに、マイクロツーリズムやワーケーションといった新たな交流の取組も推進されています。加えて、今後は、交流においても「持続可能性」の視点が重要であり、交流を通じて、地域の水産業を中心とした経済活動や、地域の生活・歴史・文化、自然環境等を保全していくことが求められます。

国では、日本ならではの伝統的な生活体験や農山漁村地域の人々との交流を楽しむ滞在である「農泊のうはく」(農山漁村滞在型旅行)をビジネスとして実施できる体制を持った地域を、令和2(2020)年までに554地域創出しました。このうち、漁村地域においては「渚泊なぎさはく」として推進しており、地域資源を魅力ある観光コンテンツとして磨き上げる取組等のソフト対策への支援や、古民家等を活用した滞在施設や農林漁業・農山漁村体験施設等のハード対策への支援を行っています。

さらに、地域の漁業所得向上を目指して行われている「浜の活力再生プラン」及び「浜の活力再生広域プラン」の取組により、漁業振興を通じた漁村の活性化が図られることも期待されます。

こうした取組により、地域における雇用の創出や漁家所得の向上だけでなく、生きがい・やりがいの創出や地域の知名度の向上等を通して、地域全体の活性化につながることが期待されます。

〈漁港ストックの最大限の活用〉

漁港機能の再編・集約等により空いた漁港の水域や用地等が増養殖や水産物直売所等に活用され、漁村の活性化に寄与しています。

平成31(2019)年3月現在、144漁港において陸上養殖を、385漁港において水域を活用した養殖等が行われています。一層の利用促進を図るため、水産庁では、「漁港水域等を活用した増養殖の手引き」(令和2(2020)年9月策定)を周知しました。

また、令和2(2020)年12月現在、58漁港において、水産物直売所等として漁港施設用地が活用されているほか、漁港施設の貸付けにより、民間事業者によって製氷施設等が整備され、漁港機能の高度化が図られています。

事例宮城県気仙沼市における交流の取組

宮城県の北東端に位置する気仙沼けせんぬま市で、東日本大震災を契機として、水産一本の街からの脱却を目指し、市の復興計画の重点事業に観光の産業化を掲げ、観光・交流による水産物の付加価値を高める取組を始めました。

取組を進めていく上で、まずは地元の人に地元の魅力を知ってもらうための取組「ば!ば!ば!の場」を定期的に開催し、地域の魅力を再発見することにより、市民の観光意識を醸成しました。そして、取組を進めてきた中で、マーケティング機能が圧倒的に不足していることを痛感するとともに、地域の観光における役割分担が不明確であったことから、気仙沼版のDMOを立ち上げ、官民が連携して地域経営を行う仕組みを構築しました。マーケティングの面では、地域内で使うことができるポイントカード「気仙沼クルーカード」を発行し、そのカードに登録された情報を基に、復興支援員や観光客、地元出身者等(関係人口)の情報の一元化を図るとともに、地元商店の地域消費額を把握し販売促進を行っています。会員数約27,000人、加盟店約130店舗となっており、今般の新型コロナウイルス感染症拡大の影響が生じている中においても、クルーカードの客観的データを基にした円滑な合意形成の下、ターゲットとする顧客層とそのニーズに合わせたプロモーションを決定し、すぐに実行に移すことにより、飲食店の売上の回復を実現しました。

交流コンテンツについて、魚市場の製氷業者や製函業者、造船所、農家等地元事業者と連携し、気仙沼の地域全体を「くらしと仕事のテーマパーク」として見たてた体験プログラム「ちょいのぞき気仙沼」を開発し、好評を博しています。

* Destination Management/Marketing Organizationの略。地域の多様な関係者を巻き込みつつ、科学的アプローチを取り入れた観光地域づくりを行う舵取り役となる法人。

ば!ば!ば!の場プロジェクト
気仙沼クルーカード
ちょいのぞき気仙沼
氷屋体験

お問合せ先

水産庁漁政部企画課

担当者:動向分析班
代表:03-3502-8111(内線6578)
ダイヤルイン:03-6744-2344
FAX番号:03-3501-5097