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水産庁

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1 みどりの食料システム戦略と水産政策

「みどりの食料システム戦略」に基づき、令和12(2030)年までに漁獲量を平成22(2010)年と同程度(444万t)まで回復させるための施策を講ずることや、令和32(2050)年までにニホンウナギ、クロマグロ等の養殖において人工種苗比率100%を実現することに加え、養魚飼料の全量を環境負荷が少なく給餌効率の高い配合飼料に転換し、天然資源に負荷をかけない持続可能な養殖体制を構築することを推進します。また、令和22(2040)年までに漁船の電化・水素化等に関する技術を確立すべく引き続き検討を進めます。さらに、水産関係の上場企業における気候関連非財務情報の開示等も含め、気候変動への適応が円滑に行われるよう必要な取組を実施します。

具体的には、これらの取組について、今後の技術開発や新ロードマップ等を踏まえ、関係者の理解を得ながら、食料・農林水産業の生産力向上と持続性の両立に向けて着実に実行します。

(1)調達面での取組

ア 養殖業における持続的な飼料及び種苗

魚類養殖は、支出に占める餌代の割合が大きいため、価格の不安定な輸入魚粉に依存しない飼料効率が高く魚粉割合の低い配合飼料の開発、魚粉代替原料(大豆、昆虫、水素細菌等)の開発等を推進します。

また、持続可能な養殖業を実現するために必要な養殖用人工種苗の生産拡大に向けて、人工種苗に関する生産技術の実用化、地域の栽培漁業のための種苗生産施設や民間の施設を活用した養殖用種苗を安定的に量産する体制の構築を推進します。

さらに、優良系統の保護を図るため、「水産分野における優良系統の保護等に関するガイドライン」及び「養殖業における営業秘密の保護ガイドライン」を周知します。

イ 漁具のリサイクル

漁業者、地方公共団体、企業等が連携した廃漁網のリサイクルの取組に係る情報発信等に取り組みます。

(2)生産面での取組

ア 資源管理の推進

改正漁業法に基づく資源管理の推進に当たっては、関係する漁業者の理解と協力が重要であり、適切な管理が収入の安定につながることを漁業者等が実感できるよう配慮しつつ、新ロードマップに盛り込まれた工程を着実に実現します。その際、新ロードマップに従って数量管理の導入を進めるだけでなく、導入後の管理の実施・運用及び漁業の経営状況に関するきめ細かいフォローアップを行うとともに、数量管理のメリットを漁業者に実感してもらうため、資源回復や漁獲増大、所得向上等の成功事例の積み重ねと成果を共有します。

また、「令和12(2030)年度までに、平成22(2010)年当時と同程度(目標444万t)まで漁獲量を回復」させるという目標に向け、資源評価結果に基づき、必要に応じて、漁獲シナリオ等の管理手法を修正するとともに、資源管理を実施していく上で新たに浮かび上がった課題の解決を図りつつ、資源の維持・回復に取り組みます。

イ 養殖業における環境負荷低減

漁場環境への負荷軽減が可能な沖合の漁場が活用できるよう、静穏水域の創出等沖合域を含む養殖適地の確保を進め、また、台風等による波浪の影響を受けにくい浮沈式生簀等を普及させるとともに、大規模化による省力化や生産性の向上を推進します。

(3)加工・流通での取組(IUU漁業の撲滅)

水産物が違法に採捕され、それらが流通することで水産資源の持続的な利用に悪影響を及ぼすおそれがあり、輸出入も含め違法に採捕された水産物の流通を防止する必要があります。

このため、IUU漁業の撲滅に向けて、IUU漁業国際行動計画やPSM協定等に基づく措置を適切に履行します。

また、水産流通適正化法に基づき、対象水産物についての取扱事業者間における漁獲番号等の情報の伝達や適法採捕を証する証明書の輸出入時の添付等の措置の適正な運用を推進し、違法に採捕された水産動植物の流通の防止を図ります。

(4)消費での取組(水産エコラベルの活用の推進)

我が国の水産物が持続可能な漁業・養殖業由来であることを示す水産エコラベルの活用に向けて、水産加工業者・小売業者団体への働きかけを通じて、傘下の水産加工業者・流通業者による水産エコラベル認証の活用を含めた調達方針等の策定を促進します。

また、インターナショナルシーフードショーをはじめとする国際的なイベント等において、日本産水産物の水産エコラベル認証製品を積極的に紹介し、海外での認知度向上を図るとともに、マスメディアやSNS等の媒体等を通じ、国内消費者に対し取組への理解の促進を図ります。

お問合せ先

水産庁漁政部企画課

担当者:動向分析班
代表:03-3502-8111(内線6578)
ダイヤルイン:03-6744-2344