2 スマート水産技術の活用

ICTを活用して漁業活動や漁場環境の情報を収集し、適切な資源評価・管理を促進するとともに、生産活動の省力化や効率化、漁獲物の高付加価値化により、生産性を向上させる「スマート水産技術」を活用するため、以下の施策を推進します。

また、漁村や洋上における通信環境等の充実やデジタル人材の確保・育成等を推進します。

（1）資源評価・管理に資する技術開発と現場実装

従来の調査船調査、市場調査、漁船活用調査等に加え、迅速な漁獲データ、海洋環境データの収集・活用や電子的な漁獲報告を可能とする情報システムの構築・運用等のDXを推進します。この中で、国は、主要な漁協・市場（400か所以上）でのデータ収集体制を活用し、漁獲量データの収集・蓄積を推進します。

また、これらの取組から得られたデータに基づく資源評価の高度化や適切な資源管理の実施等を行います。

（2）成長産業化に資する技術開発と現場実装

漁労作業の省人化・省力化、海流や水温分布等の漁場環境データの提供、養殖における成長データや給餌量データの分析・活用といった漁業者・養殖業者からのニーズの把握を進めます。また、開発企業等が共同で新技術の開発・実証・導入に取り組む試験・開発プラットフォームにより、民間活力を活用した技術開発を引き続き推進します。

（3）水産加工・流通に資する技術開発と現場実装

マーケットインの発想に基づく「売れるものづくり」を促進するため、生産・加工・流通が連携し、ICT等の活用による荷さばき、加工現場の自動化等の低コスト化、鮮度情報の消費者へのPR等の高付加価値化等の生産性向上のための取組を全国の主要産地等に展開します。

また、水産流通適正化法の義務履行に当たり、関係事業者の負担軽減を図りつつ、制度の円滑な実施を行うため、漁獲番号等を迅速かつ正確・簡便に伝達するための情報システムを整備するなど、電子化を推進します。