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捕鯨を取り巻く状況

国際捕鯨委員会(IWC)について

商業捕鯨モラトリアムについて

捕鯨についての基本的考え方

鯨類の資源量について

先住民生存捕鯨について

国際司法裁判所(ICJ)「南極における捕鯨」裁判の判決概要

我が国の沿岸小型捕鯨について

我が国のいるか漁業について

 

 

 

 

国際捕鯨委員会(IWC)について

国際捕鯨委員会(IWC)は(International Whaling Commission)は、国際捕鯨取締条約に基づき設置された鯨類資源管理に関する国際的な委員会です。

 

設立年 1948年
根拠条約 国際捕鯨取締条約(1946年署名)
設立目的 「鯨類資源の保存と捕鯨産業の秩序ある発展(国際捕鯨取締条約の目的)」実現のため、管理措置を決定する
我が国の加盟 1951年
加盟国数 89カ国(平成24年5月時点)
対象種

大型鯨類13種

シロナガスクジラ、ナガスクジラ、ホッキョククジラ、セミクジラ、

イワシクジラ、マッコウクジラ、ザトウクジラ、コククジラ、

ニタリクジラ、ミンククジラ、クロミンククジラ

キタトックリクジラ、ミナミトックリクジラ、コセミクジラ

現在IWCは、北半球に分布するミンククジラと南半球のクロミンククジラを別種として認めています。 

世界には83種類の鯨類がいますが、上記以外の鯨類は対象としていません。 

 

商業捕鯨モラトリアムについて

スウェーデンの首都ストックホルムで1972年に開催された国連人間環境会議では、「商業捕鯨の10年間のモラトリアムを」との勧告が採択されました。これに続いて開催されたIWC第24回年次会議に米国は、1973年の大型鯨種すべての捕獲枠をゼロにする提案を行いました。この提案に対してIWC科学委員会は、鯨種や資源ごとの状況の違いを無視する包括的モラトリアムは科学的に正当化できないと勧告し、この勧告に基づいてIWC本委員会はモラトリアム提案を否決しました。

しかしその後も同じような提案が繰り返され、他方で反捕鯨を掲げる国のIWC加盟が相次ぎました。そして1982年、第34回IWC年次会合において、モラトリアム案が提案され、会合の結果、あらゆる資源について商業目的のための鯨の捕獲頭数は、1986年の鯨体処理場による捕鯨の解禁期及び1985年から1986年までの母船による捕鯨の解禁期において、さらにはそれ以降の解禁期においてゼロとすることが採択され、商業捕鯨モラトリアムが決定されました。これにより大型鯨類13種(上記)を対象とした商業捕鯨は禁止されています。

一方でこの決定には、1990年までに鯨類資源について包括的な資源評価を実施してモラトリアムを見直すという条件が付されていました。しかしながら、IWCで多数を占める反捕鯨国はこの条件を無視し、モラトリアム見直しを拒み続けています。

この間に科学委員会は、科学的な知見に基づいて、クジラ資源の保全を過剰なほど考慮して捕獲限度を算出する「改訂管理方式」は適用させないことも決定しました。つまり、それ以来一部の鯨種・資源ではこの改訂管理方式の下で捕獲限度を算出できる条件がすでに整っているにも関わらず、モラトリアムは解除されることなく、現在に至っています。 

  

捕鯨についての基本的考え方

我が国は、以下の基本認識の下、商業捕鯨の再開を目指しています。

( 1 )鯨類資源は重要な食料資源であり、他の生物資源と同様、最良の科学事実に基づいて、持続的に利用されるべきである。

 

( 2 )食習慣・食文化はそれぞれの地域におかれた環境により歴史的に形成されてきたものであり、相互の理解精神が必要である。

  

鯨類の資源量について

鯨類の資源量(「平成25年度国際漁業資源の現況」より抜粋)

 

 

先住民生存捕鯨について

商業捕鯨モラトリアム下であっても、IWCは先住民生存捕鯨を認めており、我が国もこの捕鯨に賛成しています。ただし、

  • 先住民の定義が確立されておらず、人種差別的な適用が懸念されること
  • そもそも鯨の資源管理は科学的根拠に基づき行うべきであること

が原則であり、操業者が先住民であるか否かは、資源管理上は大きな問題ではないことから、会議の場においてこれらの点について指摘を行っているところです。

 

  

国際司法裁判所(ICJ)「南極における捕鯨」裁判の判決概要

1.判決の要点
 2010年5月、豪州は、我が国の第二期南極海鯨類捕獲調査(JARPA2)が国際捕鯨取締条約(ICRW)に違反しているとして、

 国際司法裁判所(ICJ)に提訴しました。ICJは、2014年3月、以下を要点とする判決を出しました。

  • 第二期南極海鯨類捕獲調査(JARPA2)は、調査の計画及び実施が調査目的を達成するために合理的なものと立証されておらず、

       国際捕鯨取締条約第8条1に規定する科学目的の調査とは言えない

  • 日本は、将来、第8条1に基づく許可証の発給の可能性を検討する際は、この判決に含まれている理由付けと結論を考慮することが期待される

 

2.主な指摘(考慮すべき事項)

(1)判決は、JARPA2に対し、以下の主な指摘を行いました。

  • 非致死的手法の実行可能性に関する検討が不十分
  • 目標サンプル数の設定に関する検討が不十分・不合理
  • 捕獲目標数と実際の捕獲数との乖離
  • 終期のない時間的枠組みに対する疑念
  • 科学的成果が不十分
  • 他の研究機関との連携が不十分


(2)その上で、判決は、日本がICRW第8条1に基づいて将来的な許可を付与することについて検討する際、

     本判決に含まれる理由付け及び結論を考慮することが期待される旨述べています。

 

3.我が国の主張を踏まえたものと考えられる事項
一方で判決は、例えば,以下の点について、日本側の主張を踏まえた上で指摘を行ったと考えられます。

  • 国際捕鯨取締条約(ICRW)の目的の一つが鯨類資源の持続可能な利用であること
  • JARPA2の活動は概ね科学調査と特徴付けることができること
  • JAPRA2が求めるいくつかのデータの収集は非致死的手法では実行不可能であること
  • 致死的調査の使用はJARPA2の目的との関係で不合理ではないこと
  • 鯨類捕獲調査の副産物である鯨肉の販売及びその収得金の活用を伴う調査は、その点のみをもって違法とはならないこと

 

4.今後の鯨類捕獲調査の実施方針
判決を踏まえ、平成26年4月18日付けの農林水産大臣談話の中で、

   「国際法及び科学的根拠に基づき、鯨類資源管理に不可欠な科学的情報を収集するための鯨類捕獲調査を実施し、

   商業捕鯨の再開を目指すという基本方針を堅持。」することが示されました。

この基本方針のもと、平成27年度の南極海における捕獲調査については、平成26年秋頃までに、判決で示された基準を反映させた新たな調査計画をIWC科学委員会へ提出すべく、関係府省連携の下、全力で検討を進めることとしています。

 

我が国の沿岸の小型捕鯨について

我が国の沿岸小型捕鯨業は、先住民生存捕鯨と同様、地域社会にとって重要な社会経済的、歴史的意義を持つものです。従来、ミンククジラを対象として操業が行われてきましたが、商業捕鯨モラトリアム以降、ミンククジラの捕獲が不可能となったため、IWCの対象種ではない、ツチクジラやゴンドウクジラなどを捕獲して細々と経営を継続しています。

我が国はこのような沿岸小型捕鯨の伝統を保持する観点から、1988年以来、沿岸捕鯨でのミンククジラ50~150頭の暫定捕獲枠をIWCに要求してきましたが、各国の理解は年々深まってきているものの、捕獲枠設定には至っていません。

 

我が国のいるか漁業について

小型鯨類(いるか類)については、IWCの管轄外であり、我が国では、イルカ資源も他の水産資源と同様に持続的な利用を達成すべきとの観点から、関連道県の許可制度を通じてイルカ漁業管理を行っています。

捕獲枠については、(独)水産総合研究センター遠洋水産研究所が実施する調査結果に基づき、種別に資源量推定を行い、種別の捕獲可能量を算出し、漁業実態に合わせてイルカ漁業を行っている道県に配分しています。

 

お問い合わせ先

水産庁

資源管理部国際課
担当者:捕鯨班
代表:03-3502-8111(内線6762)
ダイヤルイン:03-3502-2443
FAX:03-3504-2649

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