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水産庁

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(3)中学校における水産業や水産物に関する学習

 

中学校では、中学校学習指導要領(平成29年文部科学省告示第64号)の「社会」において、日本の地域的特色と地域区分について学習する際に取り上げる項目として、「産業」に関する記述があります。また、「技術・家庭」においては、「水産生物の栽培」という記述があります(表2-1-2)。

表2-1-2 中学校学習指導要領における「水産業や水産物」に関する主な記述(抜粋)

表2-1-2 中学校学習指導要領における「水産業や水産物」に関する主な記述(抜粋)

中学校でも小学校と同様、上述の教科に留まらず、様々な場面で「水産」に触れる機会があります。

事例宮城県気仙沼市立大島中学校
ホタテ養殖体験学習

宮城県気仙沼市立大島中学校は、宮城県北東部の気仙沼湾に浮かぶ離島「大島」にあります。

大島中学校では、「総合的な学習の時間」の授業で、地元の産業の1つであるホタテ養殖の体験学習を宮城県漁協大島出張所青年部の協力と指導を得て行っています。

体験学習は小学6年生で行う、沖合で獲られた漁獲物の中からホタテの稚貝を選別してかごに入れる作業から始まります。50cm四方のかごに多くならないように適量にホタテの稚貝を分け入れ、このカゴでホタテの稚貝が7cmほどに成長するまで海で養殖します。中学1年生では、7cmほどに成長したホタテをいかだにロープを使って吊すため、ホタテの耳の部分に穴をあける作業を行います。ホタテに穴をあけ終えると、ロープに結び付けるための「耳つり」作業を行い、海の潮や波でホタテが外れてしまわないように、しっかりと結び付けホタテが成長するまで同校専用の筏に吊るします。ロープに吊るされたホタテは海中でプランクトンを食べ、成長するまで2~3年の月日を要します。中学2年生では、成長したホタテの収獲と出荷の体験をします。出荷の際には、ホタテについた貝や海藻をきれいに取り除く作業も行います。3年生では、収獲したホタテを使い宮城県漁協大島出張所女性部の協力を得て、ホタテご飯など調理にも挑戦します。小学校から継続した4年間の学習がここで完結します。

生徒はホタテを出荷するまでの全ての工程に携わることによって、地域の環境・産業について学び、また、ふるさとの良さを知り、海に学び、海と生きる力を育んでいます。

育てたホタテは、「大島ホタテ」として文化祭のバザーなどで販売し、その売上げは、大島中学校の生徒会や「総合的な学習の時間」等学習活動に使われます。

ホタテの耳への穴開け作業(耳つり)の写真
ホタテの付着物の除去作業の写真
ホタテ調理体験の写真

事例和歌山県那智勝浦なちかつうら町立宇久井うぐい中学校
和歌山の海から見つめる世界 ~地域を学ぶ体験活動を通じて~

島那智勝浦町立宇久井中学校のある那智勝浦町宇久井地区は、紀伊半島の南東部に位置し、漁業で栄えてきました。「中学校は、ぶりのはらわたで建てられた鰤学校」という言葉が残るほど、地域の人々は学校教育に理解を示しています。

宇久井中学校では、地域の方々の協力を得ながら地元の自然を生かした教育活動に取り組み、豊かな心を持った生徒の育成に取り組んできました。従来、宇久井漁協による「魚食体験」を実施してきたことに加え、平成27(2015)年度には「海の時間」を新設し、新たな学習プログラムを導入しながら、地域の自然や文化に親しみ、進んで海に関わろうとする気持ちと故郷を愛し自然を大切にする心を持った生徒の育成に取り組んでいます。

2学年の生徒を対象とした学習では、地域の漁師の方を講師に招いて、地元で行われている漁法やその歴史、獲れる魚の種類と料理法について学習が行われています。生徒は、地元の海の豊かさと漁業等の産業について理解を深め、その恵みを大切にしてきた地域の文化や人々の思いに触れていきます。

また、宇久井漁協の協力により、ブリの大敷網漁おおしきあみりょうの体験学習が行われています。実際に漁船に乗り、伝統的な漁法を間近に見ながら、漁業に携わる人の苦労を知り、水揚げの喜びを共に感じることで、勤労の喜びや重要性、感謝の気持ちを育んでいます。

魚食体験の写真
漁業講話の写真
漁業現場体験の写真