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(2)漁業・養殖業の経営の状況

 

(沿岸漁船漁業を営む個人経営体の漁労所得は、おおむね横ばい傾向)

沿岸漁船漁業を営む個人経営体の経営状況を基幹的漁業従事者の年齢階層別で見ると、いずれの階層でも、漁労収入、漁労支出及び漁労所得について、年による変動があるもののおおむね横ばいで推移してきました(図特-2-12)。65歳未満の階層は、65歳以上の階層に比べて、漁労収入、漁労支出及び漁労所得のいずれも大きく上回っており、平成30(2018)年では、漁労収入が14%、漁労支出が14%、漁労所得が15%上回っています。また、水産加工等の漁労外事業所得は、65歳以上の階層は横ばい傾向にありますが、65歳未満の階層は増加傾向にあり、平成30(2018)年では36%上回っています。一方で、65歳未満の階層と65歳以上の階層の漁労所得の差は小さくなっています。沿岸漁船漁業を営む個人経営体には、様々な規模の経営体が含まれており、高齢となった沿岸漁業者の多くは縮小した経営規模の下で漁業を継続していますが、事業の縮小の時期が遅くなっている傾向があると考えられます。

図特-2-12 沿岸漁船漁業を営む個人経営体の経営状況

図特-2-12 沿岸漁船漁業を営む個人経営体の経営状況

(海面養殖業を営む個人経営体の漁労所得は、12年間で1.3倍に増加)

海面養殖業を営む個人経営体の漁労所得は、平成18(2006)年の571万円から30(2018)年の763万円で1.3倍となりました。これは漁労支出の増加幅を上回って漁労収入が増加したためです(図特-2-13)。65歳未満の階層は、全年齢階層に比べて、平成30(2018)年では、漁労収入が22%、漁労支出が22%、漁労所得が23%上回っています。海面養殖業を営む個人経営体については、65歳未満の経営体数が全体の6割を占めており、この階層を中心に経営規模が拡大していると考えられます。

図特-2-13 海面養殖業を営む個人経営体の経営状況

図特-2-13 海面養殖業を営む個人経営体の経営状況

(漁船漁業の会社経営体の営業利益は近年プラス)

漁船漁業の会社経営体では、漁労収入及び漁労支出ともに近年増加傾向が続いています。漁労利益はおおむねゼロ又はわずかなマイナスの状態が続いているものの、漁労外利益は緩やかな増加傾向にあり、結果として、営業利益は近年プラスとなっています(図特-2-14)。

図特-2-14 漁船漁業の会社経営体の経営状況

図特-2-14 漁船漁業の会社経営体の経営状況

(漁業者1人当たりの漁業生産量、漁業生産額及び生産漁業所得は平成中期から増加傾向)

我が国の漁業者1人当たりの漁業生産量は、平成14(2002)年までは減少傾向で推移し、その後はおおむね増加傾向で推移しています。一方、漁業者1人当たりの漁業生産額及び生産漁業所得は、平成9(1997)年までは増加傾向で、平成15(2003)年までは停滞又は減少傾向でしたが、その後は増加傾向で推移しています(図特-2-15)。これは、漁業者1人当たりの漁業生産量が増加したことに加え、水産物の単価が上昇したことによるものと考えられます。

図特-2-15 我が国の漁業・養殖業の生産性の推移

図特-2-15 我が国の漁業・養殖業の生産性の推移

(漁船当たり又は漁業経営体当たりの漁獲量の推移)

沖合底びき網漁業は、平成前期は、漁獲量が横ばい傾向の一方、漁船隻数が減少し続けたため、漁船1隻当たりの漁獲量が増加傾向にありました(図特-2-16)。しかし、平成中期から漁獲量の6割以上を占めていたスケトウダラやホッケの漁獲量が減少し、漁船1隻当たりの漁獲量は横ばい傾向となり、平成後期においてはスケトウダラやホッケのほか、スルメイカなどの漁獲量の減少が続き、漁船1隻当たりの漁獲量も減少傾向となっています。

また、小型定置網漁業については、漁獲量は減少傾向にあるものの、漁業経営体数が大幅に減少しているため、1経営体当たりの漁獲量は増加傾向にあります(図特-2-17)。

図特-2-16 沖合底びき網漁業の許可漁船1隻当たりの漁獲量の推移

図特-2-16 沖合底びき網漁業の許可漁船1隻当たりの漁獲量の推移

図特-2-17 小型定置網漁業の1経営体当たりの漁獲量の推移(5年平均)

図特-2-17 小型定置網漁業の1経営体当たりの漁獲量の推移(5年平均)

(法人企業の労働生産性は漁業が他産業を上回る)

法人企業の従業員1人当たり付加価値額(労働生産性)を産業別に比較すると、漁業は、平成期においておおむね増加傾向にあり、常に農林水産業全体を上回っていました(図特-2-18)。また、平成中期頃までは製造業及び非製造業と同等かこれらを下回っていましたが、平成後期までに製造業及び非製造業を上回りました。

従業員1人当たり付加価値額の増加には、主に、従業員給与及び賞与、役員給与及び賞与、福利厚生費並びに営業利益の増加が寄与しています(図特-2-19)。

図特-2-18 産業別の法人企業の従業員1人当たり付加価値額(労働生産性)(5年平均)

図特-2-18 産業別の法人企業の従業員1人当たり付加価値額(労働生産性)(5年平均)

図特-2-19 漁業の法人企業の従業員1人当たり付加価値額の内訳(5年平均)

図特-2-19 漁業の法人企業の従業員1人当たり付加価値額の内訳(5年平均)

お問合せ先

水産庁漁政部企画課

担当者:動向分析班
代表:03-3502-8111(内線6578)
ダイヤルイン:03-6744-2344
FAX番号:03-3501-5097