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(4)漁船の構造の変化

 

(漁船の減少・高船齢化が進む)

我が国の漁業で使用される漁船の隻数は、無動力船から動力船への切替えに伴い、昭和40年代から50年代にかけて増加しましたが、平成期においては、いずれの規模でも減少しました(図特-2-24)。特に沖合・遠洋漁業で使用される20トン以上の漁船の減少の割合が顕著であり、平成の30年間で約2割になりました。

遠洋漁業や一部の沖合漁業で使用される200トン以上の漁船の減少については、昭和後期から平成前期における外国200海里水域や公海の漁場からの撤退による影響や、平成中期の大臣管理漁業における資源管理のための減船や国際的な資源管理のための減船が行われたこと等によって隻数が減少したものと考えられます。また、主に沖合漁業で使用される20~199トンの漁船の減少については、大臣管理漁業における資源管理のための減船や漁業不振による漁船の廃棄があったこと、また、一部の例外を除き、資源量に対して漁船の数が多いとの判断により、漁船を廃棄した場合には新たな許可を出さない運用を一貫して続けたことなどが要因と考えられます。さらに、沖合漁業や沿岸漁業に使用される10~19トンの漁船は、平成の30年間で約8割となった一方で、主に沿岸漁業に使用される10トン未満の漁船は、平成の30年間で約4割に減少しました。これは主に沿岸漁業を営む個人経営体の減少によるものと考えられます。

図特-2-24 漁船の隻数の推移

図特-2-24 漁船の隻数の推移

平成期を通して漁船の高船齢化が進んできました(図特-2-25)。船齢20年以上の漁船の割合は、5~9トンの漁船では昭和63(1988)年の4%から平成30(2018)年の83%に増加し、10~19トンの漁船では昭和63(1988)年の5%から平成30(2018)年の72%に増加しました。これは、高齢化や後継者の不在、経営不振を背景として、多くの経営体において漁船の代船が進んでいないためと考えられます。20~199トン及び200トン以上の漁船においても船齢20年以上の漁船の割合は、平成の30年間でそれぞれ4%から55%、2%から55%と増加しましたが、船齢10年未満の漁船の割合が平成後期から増加傾向となりました。これは、大型の漁船を使用する沖合・遠洋漁業を営む経営体のうち経営継続の意欲がある経営体によって、新船の建造が進められているためと考えられます。

図特-2-25 漁船の船齢の割合

図特-2-25 漁船の船齢の割合

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