(5)漁業における兼業の実態
(動力漁船の約2割が複数の漁業種類の操業を行っている)
我が国の沿岸漁場においては、水産資源の来遊する時期が限定されていたり、資源管理上の理由や漁業調整上の理由により対象魚種の操業時期が決まっているため、地域や漁業種類ごとに操業できる時期は異なっています。そのため、漁船によっては、1年を通して複数の漁業種類の操業を行って、経営を成り立たせている場合があります。こうした操業実態を把握するため、平成30(2018)年に実施された漁業センサスにおいては、動力漁船ごとに、販売金額1位の漁業種類に加え、新たに販売金額2位及び3位の漁業種類の調査が行われました。その結果を見ると、平成30(2018)年には、動力漁船全体のうち約2割の漁船が複数の漁業種類の操業を行っていました(図特-2-26)。これは主に、20トン未満の刺し網漁業や沿岸いか釣り漁業等の沿岸漁業の漁船と、さんま棒受網漁船を中心に行われており、例えば、沿岸いか釣り漁船又は沿岸かつお一本釣り漁業を主とする漁船はひき縄釣り漁業やその他釣り漁業等の操業を、小型底びき網漁船又は中・小型まき網漁業を主とする漁船は船びき網漁業やその他刺し網漁業等の操業を行っていました(図特-2-27)。
図特-2-26 動力漁船の操業内容の内訳
図特-2-27 販売金額1位の漁業種類の漁船における販売金額2位、3位の漁業種類
(海面漁業経営体の約2割が漁業以外の兼業を行っている)
海面漁業経営体の兼業の状況について見てみると、水産加工業や漁家レストラン、農業など漁業以外の兼業を行っている経営体は全体の約2割で、具体的な兼業先は、個人経営体では農業、遊漁船業が多く、団体経営体では水産物の加工や小売業が多くなっていました(図特-2-28)。
図特-2-28 漁業経営体の兼業の有無及び兼業先
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