このページの本文へ移動

水産庁

メニュー

(2)漁業経営の動向

目標8
目標14

ア 水産物の産地価格の推移

〈不漁が続き漁獲量が減少したサンマやスルメイカは高値〉

水産物の価格は、資源の変動や気象状況等による各魚種の生産状況、国内外の需要の動向等、様々な要因の影響を複合的に受けて変動します。

特に、マイワシ、サバ類、サンマ等の多獲性魚種の価格は、漁獲量の変化に伴って大きく変化します。令和2(2020)年の主要産地における平均価格を見てみると、近年資源量の増加により漁獲量が増加したマイワシの価格が低水準となる一方で、不漁が続き漁獲量が減少したサンマやスルメイカは高値となっています(図表2-2)。また、サバ類は、漁獲量が横ばい傾向にありますが、価格は上昇しています。これは、近年のサバ類への注目による需要増大を反映しているものと推測されます。

図表2-2 主な魚種の漁獲量と主要産地における価格の推移

図表2-2 主な魚種の漁獲量と主要産地における価格の推移 図表2-2 主な魚種の漁獲量と主要産地における価格の推移

漁業及び養殖業の平均産地価格は、近年、上昇傾向で推移しており、令和元(2019)年には、前年から2円/kg増加し、350円/kgとなりました(図表2-3)。

図表2-3 漁業・養殖業の平均産地価格の推移

図表2-3 漁業・養殖業の平均産地価格の推移

コラム水産関連事業者から見た新型コロナウイルス感染症の影響

新型コロナウイルス感染症拡大の影響により私たちの生活様式が様々な面で大きな変化を余儀なくされる中、大学共同利用機関法人人間文化研究機構総合地球環境学研究所の研究者らを中心とした研究グループは、漁業・養殖業従事者や水産関連事業者(水産加工・流通・小売・外食など)への個別アンケートを実施しました(令和2(2020)年5月29日~7月8日、オンラインによるアンケート調査、水産業に関わる全国のあらゆる業種に関わる個人が対象、回答者は33県の350人(平均年齢約47歳、漁業・養殖業従事者が31%、流通・加工・小売・飲食などの水産関連事業者が69%))。

この調査結果によると、新型コロナウイルス感染症拡大の影響による変化については、漁業・養殖業従事者の85%、水産関連事業者の75%が「悪くなった」と回答しており、前年同月と比較した販売金額はそれぞれ平均で33%減、31%減との回答となっています。

販売金額に影響した項目としては、漁業・養殖業従事者は、魚価よりも「販路・販売数量の減少、鮮魚市などのイベントの中止」の影響が強いと評価しています(図1)。また、水産関連事業者は、水揚量や輸入量よりも「魚価の変動、販売見通しが不透明になったこと、イベント中止」の影響が強いと評価しています。

図1:販売金額に影響を及ぼした要因

図1:販売金額に影響を及ぼした要因

販路については、漁業・養殖業従事者は、平常時に約60%以上を卸売市場に出荷している販売状況にほとんど変化はないと回答する一方、インターネットを利用した消費者への直接販売が増えている傾向が見られました(図2)。また、新型コロナウイルス感染症拡大の前から消費者への直接販売を利用していた回答者では「コロナによって漁業・水産業が悪くなった」と答える人が少ない傾向が認められ、多様な販路を持っている生産者は影響を受けにくい可能性が示唆されました(図3)。

図2:新型コロナウイルス感染症以前における販路割合とその変化

図2:新型コロナウイルス感染症以前における販路割合とその変化

図3:新型コロナウイルス感染症以前から消費者への直接販売を利用する回答者の影響比較

図3:新型コロナウイルス感染症以前から消費者への直接販売を利用する回答者の影響比較

イ 漁船漁業の経営状況

〈沿岸漁船漁業を営む個人経営体の平均漁労所得は169万円〉

令和元(2019)年の沿岸漁船漁業を営む個人経営体の平均漁労所得は、前年から18万円減少し、169万円となりました(図表2-4)。これは、漁獲物の販売金額が減少したことに伴い、漁労収入が減少したためです。漁労支出の内訳では、油費、漁船・漁具費等が増加しました。また、所得率(漁労収入に占める漁労所得の割合)は平成26(2014)年まで一貫して減少した後、平成27(2015)年から上昇しましたが、平成29(2017)年からは再び減少しました。

なお、水産加工や民宿の経営といった漁労外事業所得は、前年から大きな変動は見られず19万円となり、漁労所得にこれを加えた事業所得は、188万円となりました。

図表2-4 沿岸漁船漁業を営む個人経営体の経営状況の推移

図表2-4 沿岸漁船漁業を営む個人経営体の経営状況の推移

沿岸漁船漁業を営む個人経営体には、数億円規模の売上があるものから、ほとんど販売を行わず自給的に漁業に従事するものまで、様々な規模の経営体が含まれます。平成30(2018)年における沿岸漁船漁業を営む個人経営体の販売金額を見てみると、300万円未満の経営体が全体の7割近くを占めており、また、こうした零細な経営体の割合は、平成25(2013)年と比べると平成30(2018)年にはやや減少していますが、平成20(2008)年と比べると増加しています(図表2-5)。また、平成30(2018)年の販売金額を年齢階層別に見てみると、65歳以上の階層では、販売金額300万円未満が7割以上を占めており、かつ、75歳以上の階層では、販売金額100万円未満が5割以上を占めています(図表2-6)。

こうした状況の背景として、沿岸漁業者の高齢化が進む中で、高齢となった沿岸漁業者の多くは、自身の体力に合わせ、操業日数の短縮、肉体的負担の少ない漁業種類への特化等、縮小した経営規模の下で漁業を継続していることが考えられます。一方、64歳以下の階層の沿岸漁業者では、65歳以上の階層と比較すると300万円未満の割合は少なく、64歳以下のいずれの階層でも平均販売金額は400万円を超えています。

図表2-5 沿岸漁船漁業を営む個人経営体の販売金額の内訳

図表2-5 沿岸漁船漁業を営む個人経営体の販売金額の内訳

図表2-6 沿岸漁船漁業を営む個人経営体の販売金額の基幹的漁業従事者の年齢別の内訳及び年齢別の平均販売金額(平成30(2018)年)

図表2-6 沿岸漁船漁業を営む個人経営体の販売金額の基幹的漁業従事者の年齢別の内訳及び年齢別の平均販売金額(平成30(2018)年)

〈漁船漁業を営む会社経営体の営業利益は725万円の赤字〉

漁船漁業を営む会社経営体では、平均漁労利益の赤字が続いており、令和元(2019)年度には、漁労利益の赤字幅は前年度から678万円増加して3,445万円となりました(図表2-7)。これは、漁労支出が2,963万円減少したものの、漁獲量が減少したことにより漁労収入が3,641万円減少したことによります。漁労支出の内訳を見ると、前年度から労務費が985万円、漁船・漁具費が435万円、油費が53万円、減価償却費が99万円それぞれ減少しています。

また、近年総じて増加傾向が続いてきた水産加工等による漁労外利益は、令和元(2019)年度には、前年度から329万円減少して2,720万円となりました。この結果、漁労利益と漁労外利益を合わせた営業利益は725万円の赤字となりました。

図表2-7 漁船漁業を営む会社経営体の経営状況の推移

図表2-7 漁船漁業を営む会社経営体の経営状況の推移

〈10トン未満の漁船では船齢20年以上の船が全体の81%〉

我が国の漁業で使用される漁船については、引き続き高船齢化が進んでいます。令和2(2020)年度に大臣許可漁業の許可を受けている漁船では、船齢20年以上の船が全体の約60%、30年以上の船が全体の約30%を占めています(図表2-8)。また、令和元(2019)年度に漁船保険に加入していた10トン未満の漁船では、船齢20年以上の船が全体の約81%、30年以上の船が全体の約50%を占めました(図表2-9)。

漁船は漁業の基幹的な生産設備ですが、高船齢化が進んで設備の能力が低下すると、操業の効率を低下させるとともに、消費者が求める安全で品質の高い水産物の供給が困難となり、漁業の収益性を悪化させるおそれがあります。国では、高性能漁船の導入等により収益性の高い操業体制への転換を目指すモデル的な取組に対して、「漁業構造改革総合対策事業」による支援を行っています。

図表2-8 大臣許可漁業許可船の船齢の割合

図表2-8 大臣許可漁業許可船の船齢の割合

図表2-9 10トン未満の漁船の船齢の割合

図表2-9 10トン未満の漁船の船齢の割合

〈新型コロナウイルス感染症の影響等により低下した燃油価格は上昇傾向〉

油費の漁労支出に占める割合は、沿岸漁船漁業を営む個人経営体で約17%、漁船漁業を営む会社経営体で約16%を占めており、燃油の価格動向は、漁業経営に大きな影響を与えます。過去10年ほどの間、燃油価格は、新興国における需要の拡大、中東情勢の流動化、投機資金の影響、米国におけるシェール革命、産油国の思惑、為替相場の変動等、様々な要因により大きく変動してきました(図表2-10)。

このため、国は、燃油価格が変動しやすいこと、また、漁業経営に与える影響が大きいことを踏まえ、漁業者と国があらかじめ積立てを行い燃油価格が一定の基準以上に上昇した際に積立金から補てん金を交付する「漁業経営セーフティーネット構築事業」により、燃油価格高騰の際の影響緩和を図ることとしています。

燃油価格の水準は、平成28(2016)年以降上昇傾向で推移したため、平成29(2017)年10~12 月期及び平成30(2018)年4~6月期以降平成30(2018)年10~12月期まで3期連続して補てん金が交付され、その後は高水準のまま推移しましたが、補てん基準価格を超えることはありませんでした。しかし、令和2(2020)年2月以降は、石油輸出国機構(OPEC)と非加盟産油国による協調減産交渉が決裂したこと、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により世界の経済活動が停滞し、原油需要が減退するとの懸念が高まったこと等から燃油価格が大幅に下落し、一時的に平成28(2016)年以来4年ぶりの低水準となっていましたが、令和2(2020)年12月以降は、ワクチン接種の開始により世界の経済活動が徐々に再開しつつあること等から、直近では上昇傾向となっています。

図表2-10 燃油価格の推移

図表2-10 燃油価格の推移

ウ 養殖業の経営状況

〈海面養殖業を営む個人経営体の平均漁労所得は491万円〉

海面養殖業を営む個人経営体の平均漁労所得は変動が大きく、令和元(2019)年は、前年から272万円減少して491万円となりました(図表2-11)。これは、漁労支出が55万円増加したことに加え、のり類養殖業等の漁労収入が減少したため、漁労収入が217万円減少したことによります。

図表2-11 海面養殖経営体(個人経営体)の経営状況の推移

図表2-11 海面養殖経営体(個人経営体)の経営状況の推移

漁労支出の構造は、魚類等を対象とする給餌養殖と、貝類・藻類等を対象とする無給餌養殖で大きく異なっています(図表2-12)。給餌養殖においては餌代が漁業支出の6割以上を占めますが、無給餌養殖では雇用労賃や漁船・漁具・修繕費が主な支出項目となっています。

図表2-12 海面養殖業における漁労支出の構造

図表2-12 海面養殖業における漁労支出の構造

〈養殖用配合飼料の低魚粉化、配合飼料原料の多様化を推進〉

養殖用配合飼料の価格動向は、給餌養殖業の経営を大きく左右します。近年、中国をはじめとした新興国における魚粉需要の拡大を背景に、配合飼料の主原料である魚粉の輸入価格は上昇傾向で推移してきました。これに加え、平成26(2014)年夏から平成28(2016)年春にかけて発生したエルニーニョの影響により、最大の魚粉生産国であるペルーにおいて魚粉原料となるペルーカタクチイワシ(アンチョビー)の漁獲量が大幅に減少したことから、魚粉の輸入価格は、平成27(2015)年4月のピーク時には、1トン当たり約21万円と、10年前(平成17(2005)年)の年間平均価格の約2.6倍まで上昇しました(図表2-13)。その後、魚粉の輸入価格は下落傾向を示し、やや落ち着いて推移していますが、国際連合食糧農業機関(FAO)は、世界的に需要の強い状況が続くことから、魚粉価格が上昇すると予測しています。

国では、魚の成長とコストの兼ね合いがとれた養殖用配合飼料の低魚粉化、配合飼料原料の多様化を推進するとともに、燃油の価格高騰対策と同様に、配合飼料価格が一定の基準以上に上昇した際に、漁業者と国による積立金から補てん金を交付する「漁業経営セーフティーネット構築事業」により、飼料価格高騰による影響の緩和を図っています。本事業が開始された平成22(2010)年4月から令和2(2020)年12月末までの間に、28回補てん金が交付(うち18回は連続して交付)されました。

図表2-13 配合飼料及び輸入魚粉価格の推移

図表2-13 配合飼料及び輸入魚粉価格の推移

エ 所得の向上を目指す「浜の活力再生プラン」

〈全国で579地区の「浜の活力再生プラン」が取組を実施〉

多様な漁法により多様な魚介類を対象とした漁業が営まれている我が国では、漁業の振興のための課題は地域や経営体によって様々です。このため、各地域や経営体が抱える課題に適切に対応していくためには、トップダウンによる画一的な方策によるのではなく、地域の漁業者自らが地域ごとの実情に即した具体的な解決策を考えて合意形成を図っていくことが必要です。国は、平成25(2013)年度より、各漁村地域の漁業所得を5年間で10%以上向上させることを目標に、地域の漁業の課題を漁業者自らが地方公共団体等とともに考え、解決の方策を取りまとめて実施する「浜の活力再生プラン」を推進しています。国の承認を受けた「浜の活力再生プラン」に盛り込まれた浜の取組は関連施策の実施の際に優先的に採択されるなど、目標の達成に向けた支援が集中して行われる仕組みとなっています。

令和3(2021)年3月末時点で、全国で579地区の「浜の活力再生プラン」が、国の承認を受けて、各取組を実施しており、その内容は、地域ブランドの確立や消費者ニーズに沿った加工品の開発等により付加価値の向上を図るもの、輸出体制の強化を図るもの、観光連携を強化するもの等、各地域の強みや課題により多様です(図表2-14)。なお、平成30(2018)年度で第1期の5か年計画を終えたプランの多くが、それまでの取組実績や成果を踏まえ、令和元(2019)年4月から新たに第2期「浜の活力再生プラン」をスタートさせています。

図表2-14 「浜の活力再生プラン」の取組内容の例

図表2-14 「浜の活力再生プラン」の取組内容の例

これまでの「浜の活力再生プラン」の取組状況を見てみると、令和元(2019)年度に第1期の「浜の活力再生プラン」を終了した地区のうち、57%の地区では所得目標を上回りました(図表2-15)。所得の増減の背景は地区ごとに様々ですが、所得目標を上回った地区については、特に魚価の向上が見られた地区が多く、一方で目標達成に至らなかった地区については、特に出荷量の減少が顕著となっています。また、取組地域からの聞き取りによると、魚価向上に寄与した取組としては、鮮度・品質向上の取組、積極的なPRやブランド化の取組等が挙げられており、出荷量の減少した要因としては、不漁、資源の減少や荒天の増加等が多く挙げられています。

図表2-15 「浜の活力再生プラン」の取組状況(令和元(2019)年度速報値)

図表2-15 「浜の活力再生プラン」の取組状況(令和元(2019)年度速報値)

また、平成27(2015)年度からは、より広域的な競争力強化のための取組を行う「浜の活力再生広域プラン」も推進しています。「浜の活力再生広域プラン」には、「浜の活力再生プラン」に取り組む地域を含む複数の地域が連携し、それぞれの地域が有する産地市場、加工・冷凍施設等を集約・再整備したり、施設の再編に伴って空いた漁港内の水面を増養殖や蓄養向けに転換する浜の機能再編の取組や、「浜の活力再生広域プラン」において中核的漁業者として位置付けられた者が、競争力強化を実践するために必要な漁船をリース方式により円滑に導入する取組等が盛り込まれ、国の関連施策の対象として支援がなされます。令和3(2021)年3月末までに、全国で156件の「浜の活力再生広域プラン」が策定され、実施されています。

今後とも、これら再生プランの枠組みに基づき、各地域の漁業者が自律的・主体的にそれぞれの課題に取り組むことにより、漁業所得の向上や漁村の活性化につながることが期待されます。

事例地域ごとの実情に即した「浜の活力再生プラン」

鈴鹿市漁協地域水産業再生委員会

三重県北部に位置し、モータースポーツの開催地としても有名な鈴鹿市では水産業や水産加工業が盛んであり、イワシ・イカナゴを獲る機船船びき網漁業やアサリを獲る貝けた網漁業、黒ノリ養殖業を中心とした漁業が営まれています。当地域では、鈴鹿市漁業協同組合と鈴鹿市で構成する地域水産業再生委員会が平成27(2015)年度から「浜の活力再生プラン」の取組を策定・実行しています。

本委員会は、環境変化の影響を受けやすい内湾性の漁場において、季節に応じて機船船びき網漁業、貝けた網漁業、黒ノリ養殖業等の複数の漁業を組み合わせることで、年間を通して安定した生産・収入を確保しました。特に、機船船びき網漁業では、漁業者が自主的な資源管理のルールを徹底して守り、資源量を安定させて生産量の増大を図るとともに、黒ノリ養殖業では、地先の漁場環境の変化に適合した品種の導入や生産体制の見直しを継続し、それぞれの漁業ともに1経営体当たりの収入が浜の活力再生プラン策定時に比べて約20%向上しました。

加えて、漁協運営の直販所「魚魚鈴ととりん」を活用した前浜の魚介類の加工や直販、混獲魚等を自分たちで値付け、詰め合わせた「鮮魚ボックス」を大手量販店1店舗へ直接出荷するなど、漁獲物の付加価値向上にも取り組みました。

さらに、鈴鹿の魚のファンづくりに向けた森林組合との交流や情報発信活動、海浜清掃等の漁場環境保全活動等による多面的機能の発揮にも取り組み、地域全体で総合的な取組を実施し、5年間で1割以上の漁業所得の向上を達成しました。

図 年間の漁業スケジュール

図 年間の漁業スケジュール
直販所「魚魚鈴」

古平ふるびら町・積丹しゃこたん町地区水産業再生委員会(積丹町分会)

北海道日本海側の積丹半島の先端部に位置する積丹町では、浅海漁業によりウニ・ナマコ等が漁獲されています。当地域では、東しゃこたん漁業協同組合(美国びくに支所、積丹支所)と積丹町で構成する地域水産業再生委員会(分会)が平成26(2014)年度から「浜の活力再生プラン」の取組を策定・実行しています。

本委員会(分会)は、陸上養殖や海中肥育等のウニの安定生産への取組、大学等との連携によるウニ殻を活用したコンブの試験養殖や藻場再生等の循環型の取組といった、ウニを中心とした様々な取組を実施しました。

加えて、定置網で漁獲量が増加したブリを船上で活締めし、脂肪率が15%以上のものを「鰤宝しほう」と名付けて出荷するなどブランド化にも取り組み、5年間で1割以上の漁業所得の向上を達成しました。

陸上畜養
海中肥育試験
ウニ殻を活用した肥料の設置試験

三宅島地区地域水産業再生委員会

東京都の伊豆諸島に属する三宅島では、底魚一本釣り漁業によりキンメダイ・メダイが、ひき縄漁業によりカツオ・キハダマグロが漁獲されています。当地域では、三宅島漁業協同組合、三宅村、東京都で構成する地域水産業再生委員会が平成28(2016)年度から「浜の活力再生プラン」の取組を策定・実行しています。

本委員会は、同島で発生した噴火の後に漁協の正組合員が5分の1ほどに減少し、また、高齢化も進んでいることに危機感を持ったことから、漁業者の増大と定着を目的に、漁協、漁業者、村、都による「漁業後継者対策実行委員会」を立ち上げ、新規漁業就業者の確保・育成の取組と後継者の確保に取り組みました。

その結果、これまでに7名の長期研修生が漁業に取り組み、そのうち4名の新規就業者が独立、さらにこの4名のうち3名は令和元(2019)年の正組合員の平均水揚金額を上回る水揚げ(残り1名もそれに近い水揚げ)を達成するなど、地域の水揚げ増加、浜の活力向上に貢献し、5年間で1割以上の漁業所得の向上を達成しました。

研修の様子
研修の様子
長期研修卒業〔独立〕

お問合せ先

水産庁漁政部企画課

担当者:動向分析班
代表:03-3502-8111(内線6578)
ダイヤルイン:03-6744-2344
FAX番号:03-3501-5097