3 漁業取締・密漁監視体制の強化等
(1)漁業取締体制の強化
現有勢力の取締能力を最大限向上させるため、代船建造計画の検討を進めるとともに、VMS(衛星船位測定送信機)の活用、訓練等による人員面での取締実践能力の向上、専属通訳の確保、監視オブザーバー等の確保・養成、用船への漁業監督官3名乗船、取締りに有効な装備品の導入等を推進します。また、漁業取締船が係留できる岸壁の整備を進めます。
(2)外国漁船等による違法操業への対応
日本海の大和堆(やまとたい)周辺水域は、我が国排他的経済水域内に位置し、いか釣り漁業、かにかご漁業、底びき網漁業の好漁場となっています。近年、この漁場を狙って、我が国排他的経済水域に進入し、違法操業を行う外国漁船等が跡を絶たず、我が国漁船の安全操業の妨げにもなっていることから重大な問題となっています。このような状況を踏まえ、特に大和堆周辺水域においては、違法操業を行う外国漁船等を我が国排他的経済水域から退去させるなどにより我が国漁船の安全操業を確保するとともに、これら外国漁船等による違法操業について関係国等に対し、繰り返し抗議するなど、関係府省が連携し、厳しい対応を図ります。
また、オホーツク海、山陰(さんいん)、九州周辺海域では、外国漁船等が、かご、刺し網、はえ縄等の漁具を違法に設置するなど、我が国漁船の操業に支障を及ぼすといった問題も発生しています。
さらに、外国漁船等が許可なく我が国排他的経済水域で操業を行うことのないよう、監視・取締りを行うとともに、外国漁船等によって違法に設置されたものとみられる漁具の押収を行います。
(3)密漁監視体制の強化
近年、漁業関係法令違反の検挙件数のうち、漁業者による違反操業が減少している一方で、漁業者以外による密漁が増加し、特に組織的な密漁が悪質化・巧妙化している状況を踏まえ、以下の取組を推進します。
1) 密漁を抑止するため、漁業者や一般人に向けた普及啓発、現場における密漁防止看板の設置や監視カメラの導入等
2) 都道府県、警察、海上保安庁、水産庁を含めた関係機関との緊密な連携の強化や合同取締り
3) 財産上の不正な利益を得る目的で採捕されるおそれが大きく、その採捕が当該水産動植物の生育又は漁業の生産活動に深刻な影響をもたらすおそれが大きいものとして指定された特定水産動植物(あわび、なまこ、うなぎの稚魚)の許可等に基づかない採捕の取締り
(4)国際連携
サンマ、サバ、スルメイカ等主たる分布域や漁場が我が国排他的経済水域内に存在する資源あるいは我が国排他的経済水域と公海を大きく回遊する資源であって、かつ、我が国がTACにより厳しく管理している資源が我が国排他的経済水域のすぐ外側や暫定措置水域等で無秩序に漁獲され、結果的に我が国の資源管理への取組効果が減殺されることを防ぐため、関係国間や関係する地域漁業管理機関(以下「RFMO」という。)における協議や協力を積極的に推進します。特に、我が国周辺資源の適切な管理の取組を損なうIUU(違法、無報告、無規制)漁業対策については、周辺国等との協議のほか、違法漁業防止寄港国措置協定(以下「PSM協定」という。)等のマルチの枠組みを活用した取組を推進します。
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水産庁漁政部企画課
担当者:動向分析班
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