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水産庁

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(4)藻場等への影響

〈海水温の上昇等による藻場への影響〉

海草や海藻が繁茂する藻場は、水産生物の産卵場、幼稚仔魚等の生息場、餌場等を提供するなど、水産生物の生活に大きな役割を果たしています。しかしながら、藻場は、高度経済成長期の沿岸域の開発等により急激に減少したことに加え、近年では、海洋環境の変化による衰退が指摘されています。具体的には、高水温等により海藻が枯れてしまうことで大幅な藻場の衰退が報告されています。また、降水量の増加に伴い洪水等が増えることにより、海中でも懸濁物質や堆積物が増加し、海藻の生育の阻害や藻体の埋没等が起こることも懸念されています。藻場が衰退することにより、イセエビやアワビ類など藻場を生息場や餌場等として活用する水産生物の漁獲量の減少が報告されています。

〈魚類やウニによる食害の影響〉

藻場の衰退は、高水温等により枯れるといった影響に加え、海藻を食べる植食動物による食害の影響も指摘されています。

藻場の衰退をもたらす主な植食動物としては、例えばアイゴ、ブダイ等の魚類やムラサキウニ、ガンガゼ等のウニが挙げられ、海水温の上昇により、これら植食動物の生息域の拡大や、摂食行動の活発化に伴う食害が増加しており、一部の地域では大規模な磯焼けが報告されています。

藻場の衰退をもたらす主な植食動物
アイゴ
ブダイ
ムラサキウニ
ガンガゼ

〈有害・有毒プランクトンの発生域の変化〉

水産資源等に対し、へい死等の有害な作用を及ぼす有害・有毒プランクトンについて、発生北限の北上が報告されています。

その他、令和3(2021)年に北海道太平洋沿岸において、低水温の環境下においても増殖する植物プランクトンであるカレニア・セリフォルミスの赤潮が発生しました。本種による赤潮が確認されたのは国内で初めてであり、この赤潮発生には海洋熱波が影響した可能性が示唆されています。

お問合せ先

水産庁漁政部企画課

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