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水産庁

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(3)実効ある資源管理のための取組

目標14

ア 我が国の沿岸等における密漁防止・漁業取締り

〈漁業者以外による密漁の増加を受け、大幅な罰則強化〉

水産庁が各都道府県を通じて取りまとめた調査結果によると、令和2(2020)年の全国の海上保安部、都道府県警察及び都道府県における漁業関係法令違反(以下「密漁」といいます。)の検挙件数は、1,426件(うち海面1,368件、内水面58件)となりました。近年では、漁業者による違反操業が減少している一方、漁業者以外による密漁が増加し、悪質化・巧妙化しています(図表3-13)。

図表3-13 我が国の海面における漁業関係法令違反の検挙件数の推移

図表3-13 我が国の海面における漁業関係法令違反の検挙件数の推移

アワビ、サザエ等のいわゆる磯根資源は、多くの地域で共同漁業権の対象となっており、関係漁業者は、種苗放流、禁漁期間・区域の設定、漁獲サイズの制限等、資源の保全と管理のために多大な努力を払っています。一方、このような磯根資源は、容易に採捕できることから密漁の対象とされやすく、組織的な密漁も横行しています。また、資源管理のルールを十分に認識していない一般市民による個人的な消費を目的としたものも各地で発生しています。このため、一般市民に対するルールの普及啓発を目的として、水産庁は密漁対策のWebサイトを立ち上げたほか、ポスターやパンフレットを作成し配布するなど密漁の防止を図っています。

また、新漁業法の施行に伴い、悪質な密漁が行われているアワビ、ナマコ等を「特定水産動植物」に指定し、漁業権や漁業の許可等に基づいて採捕する場合を除いて採捕を原則禁止とし、これに違反した場合には、3年以下の懲役又は3,000万円以下の罰金が科されることになりました。また、密漁品の流通を防止するため、違法に採捕されたことを知りながら特定水産動植物を運搬、保管、取得又は処分の媒介・あっせんをした者に対しても密漁者と同じ罰則が適用されることになるなど、大幅な罰則強化がされています(図表3-14)。

図表3-14 新漁業法に基づく罰則強化の概要

図表3-14 新漁業法に基づく罰則強化の概要

密漁を抑止するには、夜間や休漁中の漁場監視や密漁者を発見した際の取締機関への速やかな通報等、日頃の現場における活動が重要です。

取締りについては、海上保安官及び警察官と共に、水産庁等の職員から任命される漁業監督官や都道府県職員から任命される漁業監督吏員が実施しており、今後も、罰則が強化された新漁業法も活用しながら関係機関と連携して取締りを強化していきます。

QRコード
密漁を許さない ~水産庁の密漁対策~(水産庁):https://www.jfa.maff.go.jp/j/enoki/mitsuryotaisaku.html

〈「特定水産動植物等の国内流通の適正化等に関する法律」の成立〉

令和2(2020)年の第203回国会において、違法に採捕された水産動植物の流通過程での混入やIUU*1漁業由来の水産動植物の流入を防止することを目的とした「特定水産動植物等の国内流通の適正化等に関する法律*2」が成立し、同年12月11日に公布されました。本法律は、特定の水産動植物を取り扱う漁業者等の行政機関への届出、漁獲番号等の伝達、取引記録の作成・保存等を義務付けることとしています(図表3-15)。特定の水産動植物については、国内において違法かつ過剰な採捕が行われるおそれが大きい水産動植物であって資源管理を行うことが特に必要なものを「特定第一種水産動植物」、外国漁船によって違法な採捕が行われるおそれが大きい等の事由により輸入規制を講ずることが必要な水産動植物を「特定第二種水産動植物」と定義しており、特定第一種水産動植物は、あわび、なまこ及びしらすうなぎ*3、特定第二種水産動植物は、さば、さんま、まいわし及びいかとすることとしています。

令和4(2022)年12月の施行に向けて、説明会やポスター・リーフレット等を活用し、幅広く制度の周知・普及を推進しています。

  1. Illegal, Unreported and Unregulated:違法・無報告・無規制。FAOは、無許可操業(Illegal)、無報告又は虚偽報告された操業(Unreported)、無国籍の漁船、地域漁業管理機関の非加盟国の漁船による違反操業(Unregulated)等、各国の国内法や国際的な操業ルールに従わない無秩序な漁業活動をIUU漁業としている。145ページ参照。
  2. 令和2(2020)年法律第79号
  3. しらすうなぎについては、令和7(2025)年12月から適用。

図表3-15 水産流通適正化制度の概要

図表3-15 水産流通適正化制度の概要
QRコード
特定水産動植物等の国内流通の適正化等に関する法律(水産庁):https://www.jfa.maff.go.jp/j/kakou/tekiseika.html

イ 外国漁船の監視・取締り

〈我が国の漁業秩序を脅かす外国漁船の違法操業に厳正に対応〉

我が国の周辺水域においては、二国間の漁業協定等に基づき、外国漁船が我が国EEZにて操業するほか、我が国EEZ境界線の外側においても多数の外国漁船が操業しており、水産庁は、これら外国漁船が違法操業を行うことがないよう、漁業取締りを実施しています。水産庁による令和3(2021)年の外国漁船への取締実績は、立入検査2件、我が国EEZで発見された外国漁船によるものと見られる違法設置漁具の押収18件でした(図表3-16)。

図表3-16 水産庁による外国漁船の拿捕だほ・立入検査等の件数の推移

図表3-16 水産庁による外国漁船の拿捕・立入検査等の件数の推移

また、北太平洋公海において、サンマやマサバ等を管理する北太平洋漁業委員会(NPFC)が定める保存管理措置の遵守状況を聞き取り及び3件の乗船検査により確認し、延べ22隻の外国漁船等へ注意指導又は警告措置を実施しました。

QRコード
令和3年の外国漁船取締実績について(水産庁):https://www.jfa.maff.go.jp/j/press/kanri/220225.html

〈日本海大和堆周辺水域での取締りを強化〉

日本海大和堆やまとたい周辺の我が国EEZでの中国漁船及び北朝鮮漁船による操業については、違法であるのみならず、我が国漁業者の安全操業の妨げにもなっており、極めて問題となっています。このため、我が国漁業者が安全に操業できる状況を確保することを第一に、水産庁は、違法操業を行う多数の中国漁船等に対し、放水等の厳しい措置により我が国EEZから退去させています。令和2(2020)年3月に就航した大型漁業取締船2隻を含む漁業取締船が、いか釣り漁業の漁期が始まる前の5月から同水域で重点的に取締活動を実施するとともに、海上保安庁と連携した対応を行っています。

令和3(2021)年の水産庁による退去警告隻数は、延べ582隻でした。同年は、同水域において北朝鮮漁船は確認されておらず、退去警告を行った外国漁船は全て中国漁船でした。

また、大和堆西方の我が国EEZでは、違法操業を行う外国漁船の出現といった状況は依然として継続している状況であり、水産庁は、我が国漁船の安全を確保しつつ、操業を行い得るよう、引き続き海上保安庁と連携して万全の対応を行っていきます。

我が国EEZから中国漁船を退去させる水産庁漁業取締船
上:大和堆周辺水域の中国漁船群 下:我が国EEZから中国漁船群を退去させる水産庁漁業取締船

コラム漁業取締り強化に向けた水産庁の取組

水産庁は、平成30(2018)年に漁業取締本部を設置し、令和4(2022)年3月時点で官船*19隻、用船*237隻、計46隻の漁業取締船と4機の取締航空機を全国に配備して、昼夜を問わず我が国周辺水域を中心に漁業取締りを実施しています。

令和3(2021)年度には、2,000トン級の新造船の鳳翔丸ほうしょうまるを竣工させるとともに、福岡に配備されている白萩丸しらはぎまるを代船*3(499トンから916トンへ)しました。近年建造される漁業取締船は、強力な放水銃の装備や防弾化により高い取締能力を持っているほか、荒れた海象の下でも取締りに従事できる大型の漁業取締船です。

また、日本海大和堆周辺水域においては、海上保安庁との連携強化の一環として、前年に引き続き、令和3(2021)年5月に、大和堆周辺水域において、漁業取締船と海上保安庁の巡視船等が放水訓練等の合同訓練を行いました。

このように、水産庁では漁業取締体制の強化を図っています。

  1. 国が所有する漁業取締船
  2. 民間船を民間乗組員付きで借り上げ、漁業監督官が乗船して取締りを実施する漁業取締船
  3. 建造してから年数が経った船を新しく造り直し更新したもの
「鳳翔丸」の進水式の様子
水産庁と海上保安庁の合同訓練の様子

お問合せ先

水産庁漁政部企画課

担当者:動向分析班
代表:03-3502-8111(内線6578)
ダイヤルイン:03-6744-2344
FAX番号:03-3501-5097