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沿岸域の環境美化・保全
漁村の人々の清掃や植林活動などによって、沿岸域の環境の美化と保全が図られています。
沿岸域の清掃活動
海のごみの現状
私たちが出す多くのごみは、自治体を通じ回収されていますが、陸上の一部のごみは、河川などを通じて海へと流入したり、海岸に投棄されたりします。出水時には大量の流木が海へと流れ込み、漁業施設に被害をおよぼすことも多々あります。さらに近年では、海岸に漂着する外国からのごみも大きな問題となっています。漁村の人々による、こうしたごみの回収の努力は、海辺の環境美化に大きく貢献しています。
海岸の清掃
全国の約9割の漁業地区において、漁業者を中心とした海岸への漂着ごみの清掃活動が行われています。その清掃距離は年間約6,400kmにも達します。これはわが国の砂浜海岸の総延長にも相当する距離です。
海面ごみの回収
河川の出水などで海へと流れ込んだ流木等の漂流ごみは、定置網などの漁具に掛かります。漂流ごみを漁業者が回収・処分することが船舶の航行の障害を未然に防止することにつながります。
海底ごみの回収
海底にもたくさんのごみが沈んでいます。底曳網に入るごみは漁業者によって仕分け・回収が行われ、処分されています。


漁民の森づくり
海と森の関係
魚つき保安林とは
森林法において、水源のかん養、土砂災害の防備など、特定の公共目的の達成のために指定される森林を「保安林」といいます。
17種類の保安林の種別の中には、「魚つき保安林」という日本独自の保安林区分が設けられています。全保安林に占める割合は少ないですが、平成17年3月現在、全国で5.4万haが指定されています。
100年前の自然の浜を目指して
1988年、北海道の漁業関係者1,400人が札幌に集まりました。“100年かけて100年前の自然の浜”をキャッチフレーズとする「お魚殖やす植樹運動」が、道内全域において一斉に始まりました。以降、15年以上にわたって既に60万本以上の木が植えられています。
この運動をきっかけとして、漁業者による山への植樹活動が注目を集め、今では「漁民の森づくり」として全国各地に漁協を中心とした植樹活動の輪が広がっています。