（1）水産物需給の動向

ア 我が国の魚介類の需給構造

〈国内消費仕向量は652万t〉

令和5（2023）年度の我が国における魚介類の国内消費仕向量^＊1は652万t（原魚換算ベース、概算値）となり、そのうち501万t（77％）が食用国内消費仕向量、151万t（23％）が非食用（飼肥料用）国内消費仕向量となっています。国内消費仕向量を平成25（2013）年度と比べると、それぞれ、国内生産量が87万t（20％）、輸入量が36万t（9％）、輸出量が9万t（13％）減少したことから、計135万t（17％）減少しています（図表1－1）。

1. 国内消費仕向量＝国内生産量＋輸入量－輸出量±在庫の増減量。

図表1-1 我が国の魚介類の生産・消費構造の変化

資料：農林水産省「食料需給表」

注：

1. 数値は原魚換算したものであり（純食料ベースの供給量を除く。）、海藻類、捕鯨業により捕獲されたもの及び鯨類科学調査の副産物を含まない。
2. 原魚換算とは、輸入量、輸出量等、製品形態が品目別に異なるものを、製品形態ごとに所定の係数により原魚に相当する量に換算すること。
3. 粗食料とは、廃棄される部分も含んだ食用魚介類の数量であり、純食料とは、粗食料から通常の食習慣において廃棄される部分（魚の頭、内臓、骨等）を除いた可食部分のみの数量。
4. 令和5（2023）年度概算値については、令和6年能登半島地震の影響により、国内生産量に係る統計発表時点でデータのとりまとめができなかった石川県について、過去の生産量を基に推計。

イ 食用魚介類の自給率の動向

〈食用魚介類の自給率は54％〉

我が国の食用魚介類の自給率（重量ベース）^＊1は、昭和39（1964）年度の113％をピークに低下傾向で推移し、平成12（2000）～14（2002）年度の3年連続で最も低い53％となりました。その後は、微増から横ばい傾向で推移し、令和5（2023）年度における我が国の食用魚介類の自給率（概算値）は前年度から2ポイント低下し54％となりました（図表1－2）。これは、国内消費仕向量が減少したものの、国内生産量がそれ以上に減少したこと等によるものです。

食用魚介類の自給率は、国内消費仕向量に占める国内生産量の割合であるため、国内生産量が減少しても、国内消費仕向量がそれ以上に減少すれば上昇します。このため、自給率の増減を考える場合には、その数値だけでなく、算定の根拠となっている国内生産量や国内消費仕向量の動向にも目を向けることが重要です。

1. 自給率（％）＝（国内生産量÷国内消費仕向量）×100。

図表1-2 食用魚介類の自給率の推移

資料：農林水産省「食料需給表」

注：自給率（％）＝（国内生産量÷国内消費仕向量）×100。
国内消費仕向量＝国内生産量＋輸入量－輸出量±在庫の増減量。

エクセルデータ（CSV：3KB）