(4)水産物貿易をめぐる国際情勢
〈WTOにおける漁業補助金の議論が継続〉
平成13(2001)年に開始された世界貿易機関(WTO)のルール交渉会合においては、漁業補助金の多数国間での適切な規制により海洋生物資源の持続可能な利用に貢献することを目的として、各国の漁業補助金に関する規律を策定するための議論が行われてきました。
令和4(2022)年の第12回WTO閣僚会議において、IUU漁業*1につながる補助金の禁止、濫獲された資源の枯渇を助長する補助金の原則禁止等を内容とする漁業補助金協定が採択されました。この協定は、WTO加盟国・地域の3分の2(111か国・地域(令和7(2025)年3月末時点))が締結した時に発効します*2。
また、漁業補助金協定に盛り込まれなかった過剰な漁獲能力につながる補助金の禁止等については、令和6(2024)年の第13回WTO閣僚会議においても合意には至らず、議論が継続されることとなりました。
- Illegal, Unreported and Unregulated:違法・無報告・無規制。FAOは、無許可操業(Illegal)、無報告又は虚偽報告された操業(Unreported)、無国籍の漁船、地域漁業管理機関の非加盟国の漁船による違反操業(Unregulated)等、各国の国内法や国際的な操業ルールに従わない無秩序な漁業活動をIUU漁業としている。
- 令和5(2023)年6月9日に我が国国会で承認。
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