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水産庁

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(2)ウナギの完全養殖

〈ウナギの完全養殖の実用化〉

ニホンウナギの養殖種苗は、天然資源に依存しており、池入れの需要に十分に満たない年は、取引価格が大きく上昇する等、養鰻業者の経営は不安定な状況にあります。

このような中、水産庁では、天然資源に負荷をかけない持続可能な養殖体制を目指し、「みどりの食料システム戦略」において令和32(2050)年までにニホンウナギをはじめとする主要養殖対象種の人工種苗比率を100%とする目標を設定しています(令和3(2021)年5月策定)。

この目標を達成するため、

1) 産卵からふ化までの生産技術の開発、

2) 成長・生残の良好な飼料の開発、

3) 生産性の高い飼育水槽の開発、

4) 省力化に向けた自動給餌システムの開発、

5) 優良系統の開発(育種)

を主な課題とした産学官連携による技術開発を実施し、人工種苗技術の社会実装を推進しています(図表特-2-3)。

図表特-2-3 完全養殖のイメージ

人工種苗の生産技術の社会実装には、種苗生産コストの引き下げが不可欠です。天然種苗は1尾当たり約180~600円(平成24(2012)~令和3(2021)年漁期)であることに対して、人工種苗はコストダウンしてきているものの、1,800円程度(令和5(2023)年時点)となっています。今後、更なるコストダウンへ向けて、種苗を効率的かつ安定的に大量生産できる技術開発、改良を進め、人工種苗の社会実装を目指しています。

事例ウナギ種苗の商業化に向けた大量生産システムの実証

水産研究・教育機構とヤンマーホールディングス株式会社、一般社団法人マリノフォーラム21は、水産庁委託事業「ウナギ種苗の商業化に向けた大量生産システムの実証事業」において、人工種苗の量産化に向けた新型水槽を開発しました。

従来、飼育試験で用いられてきたウナギ仔魚の飼育水槽は5~20L規模の小型水槽であり、1水槽で生産可能なシラスウナギ(ニホンウナギの稚魚)の尾数は20~80尾の生産にとどまっていました。また、従来の水槽は主に塩化ビニルやアクリルを使用しており製作コストが高く、量産が難しいという課題もありました。こうした課題を踏まえ、今回開発されたFRP製円筒形水槽は、1槽当たり約1,000尾のシラスウナギ生産を可能とし、1尾当たりの飼育コストを従来比約20分の1(約1,800円)まで低減しました。設計には流体解析技術を活用し、シラスウナギの生産に適した水流が実現できるような工夫がされています。

この技術は令和6(2024)年12月に特許を取得しており、今後は自動給餌システムの導入等による省人化・効率化を進める予定です。これにより、人工種苗の大量生産が実現し、ウナギ養殖の安定供給と資源保全に大きく寄与することが期待されています。

お問合せ先

水産庁漁政部企画課

担当者:動向分析班
代表:03-3502-8111(内線6578)
ダイヤルイン:03-6744-2344