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トピックス3 IUU漁業撲滅に向けた取組

IUU*1(違法・無報告・無規制)漁業は、各国・地域や地域漁業管理機関(RFMO)*2等による資源管理の努力を損じる等、水産資源の持続的な利用に対する深刻な脅威となっています。このような状況において、我が国は、責任ある漁業国、世界有数の水産物輸入国として、IUU漁業撲滅に向けた様々な取組を行っています。

  1. Illegal, Unreported and Unregulated:違法・無報告・無規制。国際連合食糧農業機関(FAO)は、無許可操業(Illegal)、無報告又は虚偽報告された操業(Unreported)、無国籍の漁船、地域漁業管理機関の非加盟国の漁船による違反操業(Unregulated)等、各国の国内法や国際的な操業ルールに従わない無秩序な漁業活動をIUU漁業としている。
  2. Regional Fisheries Management Organization:地域漁業管理機関については、第4章を参照。

〈国際的なIUU漁業の抑制・根絶に向けた取組〉

IUU漁業の抑制・根絶に向けた取組が国際的に進められています。

例えば各地域漁業管理機関においては、正規の漁業許可を受けた漁船等のリスト化(ポジティブリスト)やIUU漁業への関与が確認された漁船や運搬船等のリスト化(ネガティブリスト)を行う措置が導入されており、さらに、ネガティブリストに掲載された船舶に対する国際的な取締体制が整備されてきています。また、いくつかの地域漁業管理機関においては、漁獲証明制度*1によりIUU漁業由来の漁獲物の国際的な流通を防止しています。

ネガティブリストについては、例えばサンマやマサバ等を管理する北太平洋漁業委員会(NPFC)では、令和6(2024)年12月末時点において40隻が掲載されるなど、着実にリスト化を通じた国際的な管理が強化されてきています。

くわえて、地域漁業管理機関の決定に基づき、自国漁船に一定の割合で科学オブザーバー又は電子モニタリング(EM)を乗船・設置させ、科学データの収集及び分析を行う等、適切な資源管理のための取組が行われています。

二国間においても、我が国とロシアとの間で、ロシアで密漁されたカニが我が国に密輸出されることを防止するための二国間協定*2の発効(平成26(2014)年)のほか、EU、米国及びタイとIUU漁業対策の推進に向けた協力を確認する共同声明の発出、カナダとの漁業取締に関する協力等、IUU漁業の抑制・根絶を目指した取組を行っています。

また、洋上での監視・取締措置に加え、違法漁業防止寄港国措置協定*3により、IUU漁業に従事した外国漁船の寄港を禁止する等、寄港地においても取締りを通じてIUU漁業の抑制・根絶を図る国際的な枠組みが整備されています。

  1. 漁獲物の漁獲段階から流通を通じて、関連する情報を漁獲証明書に記載し、その内容を関係国の政府が証明することで、その漁獲物が地域漁業管理機関の資源管理措置を遵守して漁獲されたものであることを確認する制度。
  2. 正式名称:北西太平洋における生物資源の保存、合理的利用及び管理並びに不正な取引の防止のための日本国政府とロシア連邦政府との間の協定
  3. 正式名称:違法な漁業、報告されていない漁業及び規制されていない漁業を防止し、抑止し、及び排除するための寄港国の措置に関する協定

〈我が国の漁業秩序を脅かす外国漁船等の違法操業への対応〉

我が国の周辺水域においては、二国間の漁業協定等に基づき、外国漁船等が我が国EEZにて操業するほか、我が国EEZ境界線の外側においても多数の外国漁船等が操業しており、水産庁は、これら外国漁船等が違法操業を行うことがないよう漁業取締りを実施しています。水産庁による令和7(2025)年の外国漁船等への取締実績は、立入検査10件、拿だ捕ほ2件、我が国EEZで発見された外国漁船等によるものと見られる違法設置漁具の押収13件でした(図表トピ-3-1)。

また、北太平洋公海において操業する外国漁船に対して、NPFC及びカツオ・マグロ類を管理する中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)が定める保存管理措置の遵守状況の確認を目的として、20隻の外国漁船に対して乗船検査を行いました。その結果、10隻に対して違反の指摘を行い、これらを当該漁船の船籍国・地域の管理当局及び各地域漁業管理機関の事務局に通報し、当局に適切な対応を求めました。

QRコード
令和7年の外国漁船取締実績について(水産庁):/j/press/kanri/260210.html

図表トピ-3-1 水産庁による外国漁船等の拿捕・立入検査等の件数の推移

〈我が国におけるIUU漁業由来の水産物の輸入管理制度〉

国際社会においてIUU漁業撲滅が求められる中、我が国においてもIUU漁業由来の水産物の流入を防止するための取組を進めています。

国際的な合意に基づき輸入管理措置を実施するものについては、外国為替及び外国貿易法*1に基づく輸入承認の義務が課されています。例えば、マグロ類については、地域漁業管理機関において種々の資源管理措置が実施されており、輸出入に関するものとして漁獲証明制度や統計証明制度があります。これらの制度の対象とされたマグロ類については、輸入に当たって漁船や畜養場等を管理する国が発行する漁獲証明書や統計証明書等を確認しなければならないとされているため、外国為替及び外国貿易法に基づく事前確認等を行い、IUU漁船が漁獲したものや正規登録されていない漁船・畜養場による生産物でないか等を確認しています。

また、水産流通適正化法において、外国漁船によって外国法令に照らし違法な採捕が行われるおそれが大きいと認められる魚種(特定第二種水産動植物:さば、さんま、まいわし及びいか)について、輸入時に、適法に採捕されたものであることを証する外国政府が発行する証明書の添付を求める措置を講じています(図表トピ-3-2)。

  1. 昭和24年法律第228号

図表トピ-3-2 水産流通適正化法(特定第二種水産動植物等に係る制度イメージ)

お問合せ先

水産庁漁政部企画課

担当者:動向分析班
代表:03-3502-8111(内線6578)
ダイヤルイン:03-6744-2344