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新たな資源管理の部屋

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新漁業法に基づく法令
 / 新たな資源管理の推進に向けたロードマップ / 資源評価 /

資源管理手法検討部会 / 資源管理方針に関する検討会(ステークホルダー会合) /
TAC(漁獲可能量)による管理 / IQ(漁獲割当て)による管理 / 自主的な資源管理の取組 /
これまでの「資源管理の部屋」 /

水産政策の改革全般に関する情報はこちら

1.資源管理の意義・背景

      我が国の漁業は、国民に対して水産物を安定的に供給するとともに、水産業の発展や漁村の振興に寄与するという極めて重要な役割を担っています。しかし、我が国の漁業生産量は、長期的な減少傾向にあり、国民に対して水産物を安定的に供給していくためには、この減少傾向に歯止めをかける必要があります。
      漁業生産量の減少については、様々な要因が考えられますが、適切な資源管理を行い、水産資源を維持できていれば、その減少を防止・緩和できたと考えられるものが多くあります。
      資源管理に関する従来の公的な規制は、船舶の隻数及びトン数の制限と漁具、漁法、漁期等の制限による漁獲能力の管理が主体でした。
      しかし、近年の漁獲に係る技術革新により、船舶の隻数、トン数等当たりの漁獲能力が増加し、船舶の隻数、トン数等の制限による管理の手法が限界を迎えつつあり、むしろ、漁獲量そのものの制限に転換しなければ水産資源の持続的な利用の確保が十分になし得ない状況となりました。
    このような状況に対応するため、漁業法等の一部を改正する等の法律(平成30年法律第95号。以下「改正法」という。)が成立し、数量管理を基本とする新たな資源管理制度が創設されました。
      今後は、改正法による改正後の漁業法(昭和24年法律第267号。以下「法」という。)の規定に基づき、持続的な利用を確保することにより漁業生産力を発展させるため、資源管理を適切に行う必要があります。
      このため、資源管理基本方針において示した基本的な考え方や方向性に基づき、資源管理を推進します。
      この新たな資源管理の推進により、令和12年度までに、漁業生産量(養殖及び藻類の生産量を除く。)を444万トンまで回復させることを目標とします。

    2.資源管理に関する基本的な考え方

        資源管理は、水産資源ごとに、最新の科学的知見を踏まえて実施された資源評価に基づき資源管理の目標を設定し、当該資源管理の目標の達成を目指し漁獲可能量による管理を行い、最大持続生産量を実現できる資源量の水準を維持し、又は回復させることを基本とします。
        その際、水産資源は、同一の水産動植物の種類であっても、産卵場、分布域、回遊経路等が異なることから、当該水産動植物の特性及び当該水産動植物を利用する漁業の実態等を踏まえる必要があります。
        また、資源管理をより効果的なものとするため、水産資源の再生産が阻害されることを防止するために必要な場合には、許可、免許に加え、漁業時期の制限又は漁具の種類の制限、体長制限その他の漁業の方法による管理を合わせて行うものとします。

      (1)  資源調査及び資源評価
        資源管理を適切に行うためには、その前提として、水産資源の種類ごとに、資源量の水準及びその動向を的確に推定することが不可欠である。すなわち、適切な根拠に基づいて漁獲可能量による管理を行うためには、十分な情報に基づく資源調査を行い、当該資源調査の結果に基づく最新の科学的知見を踏まえた資源評価を実施した上で、資源管理の目標となる資源水準の値を明らかにし、資源管理の目標を定めることが必要です。
        このため、資源調査及び資源評価の結果は、資源管理の基礎となるものであり、その科学的妥当性及び透明性を確保することが極めて重要です。
      そこで、資源調査及び資源評価に当たっては、その独立性を確保する体制を整備するとともに、その科学的客観性、妥当性及び再現性を確認できるよう、外部有識者による検証を実施することとします。また、資源管理の方向性に関する理解を醸成するため、その基礎となる資源調査及び資源評価に関する情報を、漁業者をはじめとする国民全般に対して、理解しやすい形で積極的に公表することとします。
        農林水産大臣が国立研究開発法人水産研究・教育機構(以下「水研機構」という。)に資源調査又は資源評価に関する業務を行わせる場合も同様であり、水研機構は、当該資源管理の方向性に基づき業務を行わなければなりません。また、水研機構は、当該業務を行うに当たり、関係する都道府県及び大学等の研究機関との連携を図ることとします。

      (2)  資源管理の目標
        資源評価が行われた水産資源については、資源管理の目標として、法第12条第1項第1号の目標管理基準値及び同項第2号の限界管理基準値又は同条第2項の資源水準を維持し、若しくは回復させるべき目標となる資源水準の値を定めます。
        資源管理の目標は、漁獲可能量を定めることにより実現を目指す資源水準の値を対外的に明らかにするものであり、透明性及び客観的な根拠をもって資源管理を行うために特に重要です。
        このため、目標となる資源水準の値は、十分な情報に基づく客観的な根拠を有するものでなければならず、資源調査の結果に基づき、最新の科学的知見を踏まえて実施された資源評価に基づいて定めることとします。

      (3)  資源管理の手法
        水産資源は、餌不足、被捕食、生態系の変化等の漁獲以外の原因による死亡(以下「自然死亡」という。)及び漁業者その他の人による漁獲によって減少します。自然死亡は、人為的には管理できないことから、設定された資源管理の目標の達成のためには、漁獲量の管理が重要となります。
        近年の漁獲に係る技術革新により、船舶の隻数、トン数等当たりの漁獲能力が増加し、船舶の隻数、トン数等の制限による管理の手法が限界を迎えつつあることから、資源管理の目標を達成するための手法は、漁獲量そのものの制限である漁獲可能量による管理を基本原則とします。これにより、令和5年(2023年)度までに、我が国の海面漁業生産量(遠洋漁業で漁獲される魚類、国際的な枠組みで管理される魚類(かつお・まぐろ・かじき類)、さけ・ます類、貝類、藻類、うに類及び海産ほ乳類を除く。)の80パーセントが漁獲可能量により管理される状態を目指すこととします。

      (4)  漁獲可能量による管理
        農林水産大臣は、漁獲可能量を、法第15条第2項各号に掲げる基準に従って、最新の資源評価及び農林水産大臣が定める資源水準の値に応じた漁獲圧力(資源に対する漁獲の影響の大きさを表す係数をいう。以下同じ。)の決定方式(以下「漁獲シナリオ」という。)により導かれる生物学的許容漁獲量の範囲内で定めるものとします。なお、漁獲シナリオに用いられる漁獲圧力の値は、最大持続生産量を達成する水準を上回らないことを基本とします。ただし、国際的な枠組みにおいて資源管理が行われている水産資源(以下「国際資源」という。)にあっては、当該国際資源を管理する国際的な枠組みにおいて決定された数量とします。
        農林水産大臣は、当該特定水産資源の漁獲可能量を定め、当該漁獲可能量を都道府県及び大臣管理区分に配分するとともに、それぞれの大臣管理区分において当該大臣管理漁獲可能量を超えないよう漁獲量の管理を行います。
        また、都道府県知事は、農林水産大臣が定めた当該特定水産資源の都道府県別漁獲可能量について、都道府県資源管理方針に即して、当該都道府県知事が設定した知事管理区分ごとの知事管理漁獲可能量を定め、それぞれの知事管理区分において当該知事管理漁獲可能量を超えないよう漁獲量の管理を行います。
        これらの大臣管理区分及び知事管理区分においては、次のいずれかの方法により、漁獲量の管理を行うこととします。
      (ア) 漁獲割当てによる管理
        漁獲量の合計が管理区分ごとの数量の上限に達した時点で行政庁が採捕を停止させる方式では、先獲り競争による過剰な漁獲及び漁業時期の著しい短期化による経営の不安定化を招くおそれがあります。
        このため、資源管理の実効性を確保し、計画的な漁獲による漁業経営の改善等に資する漁獲割当てによる管理を漁獲量の管理の基本とします。漁獲割当ては、それぞれの管理区分において、特定水産資源を採捕する者に対して、船舶等ごとに、管理区分ごとの数量の範囲内で特定水産資源を採捕をすることができる数量を割り当てることにより行うものです。
      (イ) 漁獲割当て以外による管理
        漁獲量を迅速に把握するシステムが構築されていないなど、漁獲割当てを行う準備の整っていない管理区分においては、当該管理区分において特定水産資源を採捕する者による漁獲量の総量の管理を行います。
        また、水産資源の特性及びその採捕の実態により漁獲量の総量の管理を行うことが適当でないと認められる場合には、当該水産資源を採捕するために行われる漁ろう作業の量を漁獲努力量に換算した上で、漁獲努力量の総量の管理を行います。

      3.新漁業法に基づく新たな資源管理

        (1)新漁業法に基づく法令

        北海道 青森県 秋田県 岩手県 山形県
        宮城県 福島県 新潟県 富山県 石川県
        福井県 茨城県 千葉県 東京都 神奈川県
        静岡県 愛知県 三重県 滋賀県 京都府
        大阪府 和歌山県 兵庫県 岡山県 広島県
        鳥取県 島根県 山口県 香川県 徳島県
        愛媛県 高知県 福岡県 大分県 佐賀県
        長崎県 熊本県 宮崎県 鹿児島県 沖縄県

        (参考)資源管理基本方針の補足資料

        (2)新たな資源管理の推進に向けたロードマップ

          平成30年12月14日に公布された「漁業法等の一部を改正する等の法律」(以下「新漁業法」という。)が、令和2年12月1日に施行されました。
          これに先立ち、水産政策の改革の一つの柱である新たな資源管理を推進する上で、当面の目標と具体的な工程を示したロードマップを令和2年9月30日に決定しました。
          今後は、ロードマップに盛り込まれた行程を1つ1つ、漁業者をはじめとする関係者の理解と協力を得た上で実施してまいります。

        令和2年9月30日付プレスリリース「「新たな資源管理の推進に向けたロードマップ」が決定されました」(https://www.jfa.maff.go.jp/j/press/kanri/200930.html

        (3)資源評価

          水産資源は再生可能な資源であり、適切に管理すれば永続的な利用が可能です。水産資源の管理には、資源評価により資源量や漁獲の強さの水準と動向を把握し、その結果に基づき設定される資源管理の目標に向けて適切な管理措置をとることが重要です。近年では、変動等の環境変動が資源に与える影響や、外国漁船の漁獲の増加による資源への影響の把握も、我が国の資源評価の課題となっています。
          我が国では、国立研究開発法人水産研究・教育機構を中心に、都道府県水産試験研究機関及び大学等と協力して、市場での漁獲物の調査、調査船による海洋観測及び生物学的調査等を通じて必要なデータを収集するとともに、漁業によるデータも活用して、我が国周辺水域の主要な水産資源について資源評価を実施しています。
          新漁業法では、農林水産大臣は、資源評価を行うために必要な情報を収集するための資源調査を行うこととし、その結果に基づき、最新の科学的知見を踏まえて、全ての有用水産資源について資源評価を行うよう努めるものとすることが規定されました。また、国と都道府県の連携を図り、より多くの水産資源に対して効率的に精度の高い資源評価を行うため、都道府県知事は農林水産大臣に対して資源評価の要請ができるとともに、その際、都道府県知事は農林水産大臣の求めに応じて資源調査に協力することが規定されました。
          このことを受け、都道府県及び国立研究開発法人水産研究・教育機構と共に、広域に流通している種や都道府県から資源評価の要請があった種などを新たに資源評価対象種に選定しました。令和2年度については、資源評価対象魚種を67魚種から119魚種まで拡大し、漁獲量、努力量及び体長組成などの資源評価のためのデータ収集を開始しました。
          そのうち8魚種14系群については、新たな資源管理の実施に向け、過去の推移に基づく資源の水準と動向の評価から、最大持続生産量(MSY)を達成するために必要な「資源量」と「漁獲の強さ」を算出し、過去から現在までの推移を神戸チャートにより示しました。さらに、資源管理のための科学的助言として、目標管理基準値案、限界管理基準値案(禁漁水準案)及び目標に向かいどのように管理していくのかを検討するための漁獲シナリオ案等に関する科学的助言を行いました。
          新たな資源管理の推進に向け、今後とも、都道府県や大学等とも協力し、継続的な調査を通じてデータを蓄積するとともに、情報収集体制を強化し、資源評価の向上を図っていくことが必要です。


        (4)資源管理手法検討部会

          新たな資源管理の推進にあたっては、関係する漁業者の理解と協力を得た上で進めることとしています。
          新漁業法においては、資源管理は数量管理を基本としていることから、令和5年度までに漁獲量ベースで8割をTAC管理とすることを目標としています。
          漁獲量が多いもののうち、MSYベースの資源評価が実施される見込みのものについて、順次検討を開始することとしています。
          漁獲量の多いものの中には、沿岸漁業、特に定置網漁業や底びき網漁業で多く漁獲されるものが含まれており、数量管理の導入に当たっては、想定外の大量来遊による漁獲の積み上がり等への対応や迅速な漁獲量の収集体制の整備などの課題の検討が必要となります。
          このため、新たなTAC管理対象候補資源については、現場の漁業者を含む関係者の意見を十分に聴き、必要な意見交換を行うこととし、専門家や漁業者も参加した「資源管理手法検討部会」を水産政策審議会の下に設け、資源評価結果や水産庁が検討している内容について報告し、水産資源の特性及びその採捕の実態や漁業現場等の意見を踏まえて論点や意見の整理をすることとしました。
          同部会での整理を踏まえ、「資源管理方針に関する検討会(ステークホルダー会合)」を開催することとしています。

        (5)資源管理方針に関する検討会(ステークホルダー会合)

          本検討会は、水産政策審議会に諮る資源管理基本方針の案に関し、事前に関係者の共通認識の醸成を目的とします。具体的には、資源の状況(資源量と漁獲の強さ)と資源管理の目標、目標を達成するための漁獲シナリオについて、共通認識を醸成することを目的としています。

        (6)TAC(漁獲可能量)による管理

          今般の漁業法の改正により、TAC制度は新漁業法に基づいて実施されることになりました。新しいTAC制度では、TACによる管理を行う資源は、農林水産大臣が定める資源管理基本方針において、「特定水産資源」として定められます。特定水産資源については、それぞれ、資源評価に基づき、MSYを達成する資源水準の値(目標管理基準値)や、乱かくを未然に防止するための値(限界管理基準値)などの資源管理の目標を設定し、その目標を達成するようあらかじめ定めておく漁獲シナリオに則してTACを決定するとともに、限界管理基準値を下回った場合には目標管理基準値まで回復させるための計画を定めて実行することとなりました。現在、TAC魚種は漁獲量*の6割を占めていますが、新漁業法の下では、魚種を順次拡大し、令和5年度までに、漁獲量の8割がTAC魚種となることを目指すこととしています。
        *遠洋漁業で漁獲される魚類、国際的な枠組みで管理される魚類(かつお・まぐろ・かじき類)、さけ・ます類、貝類、藻類、うに類、海産ほ乳類は除く。

        (ア)さんま、まあじ、まいわし、すけとうだら、するめいか、さば類、ずわいがに


        (イ)くろまぐろ

        (ウ)その他国際資源

        (7)IQ(漁獲割当て)による管理

          TACを個々の漁業者又は漁船ごとに割り当て、割当量を超える漁獲を禁止することによりTACの管理を行う漁獲割当て(IQ)方式は、産出量規制の1つの方式です。我が国は、ミナミマグロ及び大西洋クロマグロを対象とする遠洋まぐろはえ縄漁業とベニズワイガニを漁獲する日本海べにずわいがに漁業に対して国によるIQ方式を導入しています。
          一方で、これまでの我が国EEZ内のTAC制度の下での漁獲量の管理は、漁業者の漁獲を総量管理しているため、漁業者間の過剰な漁獲競争が生ずることや、他人が多く漁獲することによって自らの漁獲が制限されるおそれがあることといった課題が指摘されてきました。そこで、新漁業法では、TACの管理については、船舶等ごとに数量を割り当てるIQを基本とすることとされました。このため、大臣許可漁業については、現在IQ的管理が行われているもの、現行制度で漁獲量の割当てを実施しているものについて、新漁業法に基づくIQ管理を導入することとし、令和5年度までに、TAC魚種を主な漁獲対象とする大臣許可漁業にIQ管理を原則導入することとしています。
          また沿岸漁業においてもIQ的な数量管理が行われているものについては、資源管理協定の管理措置に位置づけるとともに、TAC魚種については、魚種、地域によって新漁業法に基づくIQ管理への移行を目指すこととしています。
         

        (ア)その他国際資源



        (8)自主的な資源管理の取組

          我が国の資源管理においては、法制度に基づく公的な規制に加えて、休漁、体長制限、操業期間・区域の制限等の漁業者自身による自主的な取組が行われています。このような自主的な取組は、資源や漁業の実態に即した実施可能な管理手法となりやすく、また、資源を利用する当事者同士の合意に基づいていることから、相互監視が効果的に行われ、ルールが遵守されやすいという長所があります。
          平成23年度からは、国及び都道府県が「資源管理指針」を策定し、これに沿って、関係する漁業者団体が「資源管理計画」を作成・実践する資源管理体制を実施しています。 新漁業法に基づく新たな資源管理システムにおいても、国や都道府県による公的規制と漁 業者の自主的取組の組み合わせによる資源管理推進の枠組みを存続することとしており、特に、TAC魚種以外の水産資源(以下「非 TAC魚種」といいます。)の管理については、漁業者による自主的な資源管理措置を定める「資源管理協定」の活用を図ることとしました。
          「資源管理協定」を策定する際には、1)資源評価対象魚種(令和5年度までに200種程度に拡大)については、資源評価結果に基づき、資源管理目標を設定すること、2)資源評価が未実施のものについては、報告された漁業関連データや都道府県水産試験研究機関等が行う資源調査を含め、利用可能な最善の科学情報を用い、資源管理目標を設定することとしました。
          また、「資源管理協定」は、農林水産大臣又は都道府県知事が認定・公表し、「資源管理計画」から「資源管理協定」への移行は令和5年度までに完了します。なお、移行完了後には、資源管理指針・計画体制は廃止することとしています。
          資源管理の効果の検証を定期的に行い、これにより取組内容をより効果的なものに改良し ていくとともに、その検証結果は公表し、透明性の確保を図っていくこととしています。
          沿岸漁業においては、非TAC 魚種の漁獲は量で約6割、生産額で約8割を占めており、生産量は漸減傾向にあることから、効果的な資源管理の取組は急務となっています。このため、非TAC魚種については、漁業者による自主的な資源管理措置を定める「資源管理協定」の活用を図ることとしました。






        【これまでの「資源管理の部屋」(随時、上記の新HPへ移行します。)】


        コンテンツ
        資源管理指針・資源管理計画 /TACについて  /広域漁業調整委員会 /TAC制度等の検討に係る有識者懇談会 /資源管理のあり方検討会

        1   水産資源管理の基本的な考え方

        • 水産資源は、通常、海の中を泳いでいる時には誰の所有にも属しておらず、漁獲されることによって初めて人の所有下におかれるという性質(無主物性)をもっており、水産資源の漁獲に当たって何の制限も課されていない状態では、自分が漁獲を控えたとしても他者がそれを漁獲することが懸念され、いわゆる「先取り競争」を生じやすくなります。
        • 先取り競争によって、資源状況からみた適正水準を超える過剰な漁獲(=乱獲)が行われた場合、水産資源が自ら持っている再生産力が阻害され、資源の大幅な低下を招くおそれがあります。
        • 水産資源を適切に管理し、持続的に利用していくためには、資源の保全・回復を図る「資源管理」の取組が必要なのです。 

        2   水産資源管理の手法 

            資源管理の手法は大きく3つに分けられます。

        (1)   「インプットコントロール」(投入量規制):漁船の隻数や馬力数の制限等によって漁獲圧力(資源に対する漁獲の圧力)を入口で制限。

        (2)   「テクニカルコントロール」(技術的規制):産卵期を禁漁にしたり、網目の大きさを規制することで、漁獲の効率性を制限し、産卵親魚や小型魚を保護。

        (3)   「アウトプットコントロール」(産出量規制):漁獲可能量(TAC)の設定などにより漁獲量を制限し、漁獲圧力を出口で規制。

            これらの管理手法のうち、どの手法に力点をおくかは、漁業の形態や漁業者の数、水産資源の状況、さらには前提となる資源評価の精度等によって異なります。

        kanri.jpg

        3我が国の水産資源管理の枠組み

        • 豊かな海に囲まれた我が国では、古くから水産物が食料として利用されており、各地の沿岸集落に住む人々は様々な漁法を考案し、地先の海へ出漁していました。また、地先漁場における紛争を防止し、その資源の持続的な利用を図るため、地元集落の住民によって漁場を共同で管理・利用するという秩序が形成されてきました
        • 我が国の漁業はこのような古来の沿岸漁業利用の秩序を原点として徐々に発展を遂げ、近代に入ってからは、進歩した漁労・漁船技術の恩恵を受け、漁場をより遠くの海へと拡大してきました。このため、我が国の漁場には、沿岸域から沖合・遠洋にかけて多くの漁業者が様々な魚種を多種多様な漁法で漁獲しているという特徴があります。
        •  こうした複雑な漁業実態の中、我が国では魚種や漁業種類の特性に応じ、都道府県による漁業権免許、国、都道府県による漁業許可、漁獲可能量(TAC)制度等の公的規制と漁業者による自主的な資源管理を組み合わせることで、多様な漁業者による漁場利用を調整し、水産資源を効果的に管理しています。    
        • 平成24(2012)年3月に策定された水産基本計画では、平成23(2011)年度から実施している資源管理・収入安定対策を中核施策として、資源管理指針・計画に基づく資源管理体制の下、我が国周辺水域を中心とする水産資源のフル活用を図ることとしています。

                 (水産基本計画

        (1)公的な資源管理

        • 漁業権漁業における資源管理

           沿岸の定着性の高い資源を対象とした漁業等については、都道府県知事が漁場の区域、対象魚種、漁法等を特定し漁業協同組合等に漁業権を免許します。漁業権を免許された漁業協同組合が知事の認可を受けて定める漁業権行使規則には、漁業を営む者の資格や漁具・漁法の制限(技術的規制)、操業期間の制限(投入量規制)など当該地域の実情に即した資源管理措置が規定されます。

          (漁業権について)(PDF:243KB)

        • 許可漁業における資源管理

           主に移動範囲が広い魚種を対象とし、1隻あたりの漁獲量が多い沖合・遠洋漁業等については、他の地域や漁業種類との調整を図る必要があり、資源に与える影響も大きいことから、農林水産大臣又は都道府県知事の許可制度により、漁船の隻数や総トン数の制限(投入量規制)、操業期間・区域や漁法の制限(技術的規制)等が行われています。

        • TAC(漁獲可能量)制度

           漁獲量が多く、国民生活上重要である、資源状況が悪く緊急に管理を行う必要がある、我が国周辺水域で外国漁船による操業が行われているなどの観点から指定されたサンマ、マアジ、サバ類、マイワシ、スルメイカ、スケトウダラ、ズワイガニの7魚種に加え、太平洋クロマグロについて「海洋生物資源の保存及び管理に関する法律」に基づく産出量規制として、年間の採捕量の上限を定める漁獲可能量(TAC)制度が導入されています。また、同法に基づき投入量規制として、漁獲努力量の総量規制(TAE)制度も導入されています。


        (2)漁業者による自主的資源管理の全国展開

        • これまでの漁業者による自主的な資源管理の取組について

           公的な規制に加え、漁業者の間では、休漁、体長制限、操業期間・区域の制限等の自主的な資源管理の取組が行われてきました。漁業者による自主的な資源管理は、資源利用の当事者である漁業者の合意に基づき導入・実践されることから、ルールが遵守されやすく、各地の漁業や資源の実態に応じた柔軟な措置が導入されやすいことから、国としても累次の事業により支援してきました。

        • 資源管理指針・計画に基づく資源管理体制

           平成23(2011)年度からは、国及び都道府県ごとに「資源管理指針」(水産資源に関する今後の管理方針及びこれを踏まえた具体的管理方策を内容とする指針)を策定し、これに沿って、関係漁業者が「資源管理計画」(公的規制に加え、漁業者が自主的に取り組む資源管理措置をまとめた計画)を作成・実施する資源管理体制がスタートしました。計画を確実に実施する場合に、資源管理・収入安定対策によって減収の補てんを行うことにより、計画的な資源管理を基本的に全ての漁業者の参画を得て全国的に推進することをめざしています。

          (資源管理指針・計画について資源管理・収入安定対策について

        • 広域的な資源管理についてこれまでの漁業者による自主的な資源管理の取組について

        都道府県の範囲を越えて分布・回遊する資源については、漁業種類間等で連携協力し、広域的な資源管理に取り組んでいます。
          (広域的な資源管理について広域漁業調整委員会について) 

        お問合せ先

        資源管理部管理調整課
        担当者:資源管理推進室
        代表:03-3502-8111(内線6663)

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